ニュース - 2015.10.23

BSA | The Software Alliance（本部：米国ワシントンDC、以下BSA）は本日、長崎県警生活環境課サイバー犯罪対策室が2015年10月6日、インターネットオークションサイトを利用し、クラックツールを販売していた東京都内の男性を不正競争防止法の疑いで逮捕したと発表しました。

本事案は、BSAの「不正コピー情報提供窓口」への報告を端緒とするものです。男性は、2015年3月6日頃、BSA加盟企業であるアドビ システムズ インコーポレイテッド（以下、アドビ システムズ）が体験版として提供した「Adobe Creative Suite 6 Master Collection」を制限のない製品版として使用可能にするクラックプログラムをインターネットオークションサイトに出品し、その落札者に対して、クラックプログラムとその動作方法を記載したマニュアルが保管されているストレージサイトのアドレスを教え、落札者にダウンロードさせる形で提供していました。

アドビ システムズを含む大手ソフトウェア企業は、製品をコンピュータにインストールする際に、プログラムとともに特定の信号等を記録させ、コンピュータがこれを検知しなければプログラムが実行されない仕組みを採用しています。クラックプログラムは、著作権者に無断で信号等を偽造することで、体験版として提供されたプログラムを何ら制限の無いプログラムとして実行可能にするものです。BSAは、長崎県警に対して加盟企業のライセンス認証システムに関する情報を提供するとともに、クラックツール提供に関わる不正競争防止法・著作権法の解釈・適用に関して鑑定書等を作成するなどの捜査協力を行っていました。

同種案件については、既に2014年10月15日付け福井簡裁の略式命令、2014年12月5日付け宇都宮地裁判決及び2015年9月8日付け神戸地裁判決において不正競争防止法を適用し有罪とする判断がされており、今回の長崎県警による逮捕は、これらの判決を視野に入れて、行われたものです。

今回の逮捕を受けBSA日本担当共同事務局長の松尾早苗は、「クラックプログラムの不正販売が不正競争防止法に違反するとする裁判所の判断は揺るぎがなく、既に確定したものといえます。それにも拘わらず、なお不正なクラックプログラム販売が後を絶たない現状で今回の長崎県警による果敢な捜査と今回の逮捕に対し、BSAとしては深く敬意を表するものです」とコメントしています。
 
【BSA | The Software Allianceについて】
BSA | The Software Alliance（BSA | ザ・ソフトウェア・アライアンス）は、グローバル市場において世界のソフトウェア産業を牽引する業界団体です。BSAの加盟企業は世界中で最もイノベーティブな企業を中心に構成されており、経済の活性化とより良い現代社会を築くためのソフトウェア・ソリューションを創造しています。ワシントンDCに本部を構え、世界60カ国以上で活動するBSAは、正規ソフトウェアの使用を促進するコンプライアンスプログラムの開発、技術革新の発展とデジタル経済の成長を推進する公共政策の支援に取り組んでいます。詳しくはウェブサイトをご覧ください。

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