ニュース - 2025.10.01

グローバルなテクノロジー団体、BSA、日本のAI導入アジェンダを発表

[2025年10月1日日(東京発)] 経済全体でAIおよびクラウドの導入を加速させるために、日本は競争力を強化する一連の政策措置を講じるべきであると、グローバルなテクノロジー団体であるBusiness Software Alliance(ビジネス・ ソフトウェア・ アライアンス、以下BSA)は、新たな政策アジェンダで提言しました。

ワシントンDCに本部を置き、世界各国に拠点(日本を含む)を持つ業界団体であるBSAは、「日本のAI導入アジェンダ」を発表しました。本アジェンダは、日本経済全体における人工知能(AI)の責任ある活用を加速させるための包括的な政策提言であり、イノベーションだけではなく、「導入」を優先することで日本が国際競争力を強化できることを強調しています。

「日本にはAIの導入を加速させ、経済の競争力を強化するための大きな機会があります。」とBSAのCEOであるビクトリア・エスピネルは述べました。「デジタル人材スキルの育成、データとクラウドサービスの一層の活用、そして明確かつ実行可能なAIガバナンスの枠組みを整備するという目標を実現することで、日本は企業と労働者がAIの恩恵を最大限に享受できるようにし、国際的な競争において主導権を握ることができます。」

現在、日本におけるクラウドおよびAIの導入は他の先進国と比較して遅れをとっています。最近の調査では、日本企業の40%がAI導入の計画を策定していないことが明らかとなり、対策の緊急性が浮き彫りになっています。この課題に対応するため、BSAのAI導入アジェンダは「人材」「データとインフラ」「ガバナンス」の3本柱に基づく具体的な行動を提示しています。

人材と労働力

  • AI研修やスキル習得コースを研修補助金の対象とすること。人材のリスキリングを支援すること。
  • 労働市場調査をAIに特化したデジタルスキルに重点化し、需要が高まっているスキルと機会をより的確に把握すること。
  • 更新された「教育DXロードマップ」を実施し、学校におけるAIとクラウド活用を拡大化すること。
  • 各省庁に対し、産業ごとのAI導入ケーススタディをまとめるよう指示すること。

データとインフラ

  • ISMAP(政府情報システムのためのセキュリティ評価制度)を改善し、他国で認定された認証を受け入れること。
  • 個人情報保護法を改正し、AI学習を含む多様な状況において個人データを処理または利用可能とすること。
  • 日本が提唱した「信頼性のある自由なデータ流通(Data Free Flow with Trust、DFFT)」を推進し、地理的に分散したデータをAI開発において利用可能にすること。

ガバナンス

  • 「AI事業者ガイドライン」を改定し、AIバリューチェーンにおける各主体の責任を明確化すること。
  • 日本のAI法を実施する際にはリスクベースのアプローチを採用し、一律の「高リスク」指定を避けること。
  • 「広島AIプロセス」の枠組みやISOなどの標準化団体を通じて、AIガバナンスの国際的な整合性を主導すること。

BSAの「日本のAI導入アジェンダ」は、過去数か月にわたる業界リーダーやグローバル会員企業との協議を基に策定されたものであり、米国、欧州連合、インド、ASEANを含む主要経済圏での導入フレームワーク推進に向けたBSAの取り組みを反映しています。
 
詳細は ai.bsa.org (英文)をご覧ください。
 
[BSAについて]
Business Software Alliance(ビジネス ・ソフトウェア・ アライアンス、以下BSA、bsa.or.jp(日本語)、 www.bsa.org (英語))は、エンタープライズソフトウェア産業を代表するグローバルな業界団体です。人工知能(AI)、サイバーセキュリティ、クラウドコンピューティング、その他の最先端技術をリードする企業を代表し、アメリカ合衆国、ヨーロッパ、アジアの20を超える市場で活動し、あらゆる分野の産業また一般消費者がイノベーションの恩恵を受けられるよう、テクノロジーに対する信頼を構築する政策を推奨しています。また、BSAは、不正ソフトウェア使用のリスクとソフトウェア資産管理のメリットに対する認識を高め、健全なIT調達による、ライセンスコンプライアンスとソフトウェア導入を世界中で推進することで、会員企業とその顧客を支援しています。

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