リリース記事

■1999/06/21
京都府内メーカーに対する証拠保全 和解金1億円で妥結

コンピュータ・ソフトウェアの権利保護団体ビジネス ソフトウェア アライアンス (Business Software Alliance、以下 BSA、本部: 米国ワシントン DC、会長: ロバート・W・ハリマン)は、本日、アドビシステムズ インク、アップル インク、インプライズ コーポレーション、株式会社ジャストシステム、マイクロソフトコーポレーション、シマンテック コーポレーション、ビジオ コーポレーション各社のソフトウェアを違法コピーしていた京都府内メーカーとの間で和解が成立したと発表しました。

この和解条件には、1. 違法コピーされたソフトウェアの全面廃棄処分、2. 正規品の購入、3. 和解金の支払い、4. ソフトウェア管理、5. 将来の違法コピーについては正規品価格の 2 倍の賠償金を支払うこと、6. BSA が監査を実施できること、などが含まれます。この和解によってこのメーカーが支払う和解金総額は、1 億57 万 8,318 円 (1 ドル= 123 円で換算) にのぼります。

今回の組織内違法コピーは、BSA が違法コピーホットライン (フリーダイアル: 0120-79-1451、電子メール: hotline@bsa.or.jp) を通じて入手した違法コピー情報が発端となりました。BSA 会員を含むソフトウェアメーカーの申したてに基き、1999 年 2 月 3 日、同社が、違法コピーを行っていた疑いで、京都地方裁判所に申し立て、同裁判所が証拠保全手続きを執行しました。同裁判所の検証と、その後の同社の自主的な調査の結果、大量の違法コピーが確認されました。

調査等を通じて判明したのは、アドビシステムズ社製「Illustrator(r)」、「PhotoShop(r)」、アップル社製 「Mac(tm)OS」、インプライズ社製「Borland C++Builder」、ジャストシステム社製 「一太郎」、マイクロソフト コーポレーション製「Office」、シマンテック社製 「Norton Antivirus(r)」、ビジオ社製 「Visio(r) Standard」など、BSA 会員などのソフトウェア・メーカー 7 社のソフトウェアです。

BSA の副会長のパメラ・パスマンは「今回の証拠保全手続きのきっかけとなったのは、誠実な方からの違法コピーホットラインへの通報です。BSA のホットラインへの企業内の違法コピーに関する通報の大部分は、企業の従業員、元従業員、取引先、流通業者からです。彼らは違法にコピーされたソフトウェアを使用することなど、自分の属する組織で起きている違法で倫理に反する行動に対して解決を強く望んでいます。今回和解に応じた企業は、社内で大量の違法コピーを行った点について責められるべき点はありますが、和解の過程において真摯に反省をしたうえ、自主的な調査等を含め、違法コピーの是正に努めたことは評価して 各権利者は和解に応じました。今後は、適切にソフトウェア管理を実施されていかれるものと期待しております。日本の違法コピー率は徐々に低下しており、1998 年には 31% となりました。しかしソフトウェア企業がコンピュータソフトウェアの違法コピーによって被る損害は、1 年で約 740 億円に達しており、まだまだ改善の余地があります。BSA は、違法コピーの撲滅と著作権保護の推進に向け、引き続き教育啓発面で積極的に活動を展開していきます」 と述べました。

BSA は、エンドユーザー向けにソフトウェアの著作権保護と効率的管理への理解を深めるための活動を行っています。無料セミナーの開催、監査ツールの配布、著作権教育の支援活動、小中高校生対象のコンテストの開催などのほか、各種公的機関、業界団体との連携による活動を日本を含む全世界で展開しています。

BSA は、アドビシステムズアップル、アタッチメイト、オートデスクベントレー・システムズコーレル、インプライズ、ロータス デベロップメントマクロメディアマイクロソフトネットワークアソシエイツ、ノベルシマンテックビジオなど大手ビジネスソフトウェア会社が組織する非営利団体です。BSA は世界 65 カ所以上の国や地域でソフトウェアの権利保護活動を展開し、ソフトウェア産業の発展に貢献しています。日本においては、株式会社ジャストシステムが活動に参加しているほか、社団法人コンピュータソフトウェア著作権協会とも調査並びに教育・啓発活動で連携しています。

BSA は、違法コピーホットライン (0120-79-1451 なくそう、違法行為) と電子メール (hotline@bsa.or.jp ) で違法コピーの通報を受付けています。BSA に関する情報はホームページ ( http://www.bsa.or.jp ) に掲載されています。