「BSA評価簡易プログラム」を実施
安全で信頼できるデジタル社会の実現を推進するビジネス ソフトウェア アライアンス(本部:米国ワシントンDC、会長:ロバート・ハリマン、以下BSA)は、このたび、日本における啓発活動として、全国の私立大学(2007年BSA大学向けソフトウェア管理支援キャンペーンに参加していない私立大学)を対象に、「BSA評価簡易プログラム」を実施することを発表いたしました。
このBSA評価簡易プログラムは、大学内における適切なライセンス管理がなされているか、また管理体制が整っているかを主眼にソフトウェア資産管理の評価を提供するもので、昨年度に実施した「大学向けソフトウェア管理支援キャンペーン」に参加しなかった私立大学を対象に実施いたします。
BSAはこれまで、2006年夏に国立大学法人等支援プロジェクト、2007年秋に大学向けソフトウェア管理支援キャンペーン等、国内の全大学(大学校を除く)を対象に過去の違法コピーに対する法的責任を一定の条件のもとに免除することを含むソフトウェア資産管理体制整備の支援策を積極的に展開してきました。その結果、国立大学法人等支援プロジェクトでは全国立大学の約3分の1という多くの参加があった反面、主に私立大学向けに実施したソフトウェア管理支援キャンペーンは登録率が2%未満にとどまったため、自らの管理状況を認識して、資産管理の一助としもらうため、今回、対象をキャンペーンに登録していない私立大学のみとする本プログラムの実施を決定いたしました。
教育機関における組織内違法コピー事案では、国内過去最高額で全世界でも過去2番目の高額となる和解が、今年に入り首都圏の学校法人とBSAメンバー企業間で成立しています。また、違法コピーやビジネスソフトウェアの管理を漫然と放置した経営者や管理者は、共同不法行為責任が生ずる可能性もあり、さらに著作権法違反には、行為者が10年以下の懲役又は1000万円以下の罰金(併科可能)、法人には3億円以下の罰金という刑事罰が用意されるなど、組織内違法コピーの放置が企業や学校だけでなく、その経営者にとっての大きな潜在的リスクとなっています。
また、違法コピー以外にもソフトウェアの資産管理体制の不備が引き起こす弊害として、Winnyに代表されるファイル交換ソフトのインストールや、その発見が遅れることによる個人情報や機密情報漏洩リスク増大が挙げられ、多くの学生や受験生、その他関係者等に被害が波及することも考えられます。
BSAでは、大学における上記リスクを軽減し、ソフトウェア資産管理のきっかけとなるよう、この啓発活動への協力を広く呼びかけ、BSA評価簡易プログラムをはじめとするソフトウェア資産管理を推進し、引き続き安全で信頼できるデジタル社会の実現に貢献してまいります。
■ BSA評価簡易プログラムについて
BSA評価簡易プログラムは、BSA評価プログラムの簡易版であり、ソフトウェアの資産管理体制の不備によるリスク軽減を目指す私立大学向けのプログラムです。
BSA評価プログラムは、ビジネスソフトウェアに関し、ソフトウェア資産管理が適切な状況にあるか、何か問題はないのか、管理レベルは高いのか低いのか、などを客観的に把握し、企業や大学、自治体内の管理責任者の疑問を解消し、系統立てて評価を行うことを目的に、管理状態をレベル0からレベル5までの6段階の成熟度で評価する手法です。
通常、監査法人により、数日間の現地評価作業を含む数ヶ月間が必要となりますが、本簡易プログラムは、監査法人による評価を簡易に行います。監査法人が作成する評価報告書を元に現状のソフトウェア管理状況の把握を行っていただくことができ、今後のソフトウェア管理の指針としていただくことができます。BSA評価簡易プログラムの概要等に関しましては、http://www.bsa.or.jp/univ/evaluation をご参照下さい。
BSAについて
ビジネス ソフトウェア アライアンス(BSA)は、世界80カ所以上の国や地域でビジネスソフトウェア業界の継続的な成長と、安全で信頼できるデジタル社会の実現を目指して、政策提言・教育啓発・権利保護支援などの活動を展開している非営利団体です。BSAは急成長を遂げるビジネスソフトウェア 業界をリードする企業で構成されています。1988年の米国での設立以来、常に政府や国際市場に先駆け、世界のビジネスソフトウェア業界とそのハードウェア・パートナーの声を代表する組織として活動をつづけ、教育啓発、および著作権保護、サイバーセキュリティー、貿易、電子商取引を促進する政策的イニシアチブを通して技術革新の促進に努めています。BSAのメンバーにはアドビシステムズ, アジレント・テクノロジー, アルティウム, アップル, オートデスク, アビッドテクノロジー, ベントレー・システムズ, ボーランド, CA, ケイデンス・デザイン・システムズ, シスコシステムズ, CNC Software/Mastercam, コーレル, デル, EMC, エントラスト, Frontline PCB Solutions- An Orbotech Valor Company, HP, IBM, インテル, アイナステクノロジー, マカフィー, マイクロソフト, Mindjet, Minitab, Monotype Imaging, PTC, クォーク, Quest Software, SAP, シーメンスPLMソフトウェア, ソリッドワークス, SPSS, サイベース, シマンテック, シノプシス, テクラ, The MathWorks およびトレンドマイクロ が加盟し活動を行っています。詳しくは、BSA日本ウェブサイトwww.bsa.or.jpまたは、BSA米国本部ウェブサイトwww.bsa.org/usa/(英語)をご覧ください。
国立大学法人等支援プロジェクトの概要
正式名称 | BSA国立大学法人等支援プロジェクト(略称:大学支援プロジェクト) |
参加登録 | 2006年8月1日〜9月30日(報告期限:2006年11月30日) |
対 象 | 国立大学法人等情報化推進協議会 加入機関 |
目 的 | 上記協議会加入機関におけるソフトウェア点検・確認自主調査の支援 |
内 容 | 本年2月16日に文部科学省が国立大学法人学長等宛に発したソフトウェアの適正な管理の徹底に関する通知を受け、大学等が自主的に行うライセンスの点検・確認に対し、BSAが支援を行う |
支援内容 |
1.情報提供支援 ・専用Webサイトでの点検・確認に関する情報提供 ・メール相談窓口対応による情報提供 ・大学支援プロジェクトセミナー実施 ・講師派遣等 2.点検・確認支援 ・相談窓口での相談対応、およびカウンセリング ・BSAの費用負担による有料ソフトウェア管理ツールの一定限度の無償利用 3.法的責任免除(免責) ・本プロジェクトに賛同するBSAメンバー企業のソフトウェアの違法コピーが点検・確認自主調査中に発見された場合、一定の条件のもとにその法的責任が免除される |
※文部科学省の通知について
文書名 | 「コンピュータソフトウェアの適正な管理の徹底について」 |
年月日 | 平成18年2月16日 |
作成者 | 文部科学省大臣官房政策課長 |
送付先 | 国立教育政策研究所長、科学技術政策研究所長、日本学士院長、日本芸術院長、各国立大学法人学長、各大学共同利用機関法人機構長、各独立行政法人の長、 日本私立学校振興・共済事業団理事長、放送大学学園理事長、公立学校共済組合本部理事長 |
内 容 | 先般、一部の国立大学法人においてコンピュータソフトウェアが大量に不正コピーされているとの報道があったところです。各機関においては、従来よりコンピュータソフトウェアの適正な運営・管理を行っているものと思いますが、このことを踏まえ、下記について各機関で点検・確認等を行い、より一層の適正管理を図っていただくようお願いいたします。なお、文化庁より出されている「大学等におけるコンピュータプログラムに係る著作権保護について(通知)」(庁文著第92号)を別添いたしますので、あわせて参考にして下さい。
記 1.ソフトウェア管理台帳等による点検・確認 2.管理体制・管理機能の確認 3.機関内のコンピュータを利用する全ての教職員及び学生への啓蒙活動 以上 |
(なお、本文中に「通知」と表現しておりますが、正式には通知という名称はつけられておりません。)
大学向けソフトウェア管理支援キャンペーン
正式名称 | BSA大学向けソフトウェア管理支援キャンペーン |
参加登録 | 2007年11月1日〜12月31日(報告期限:2008年3月31日) |
対 象 | 日本国内の全大学(短期大学を含む) *大学校は対象外です。 |
目 的 | ソフトウェア点検・確認自主調査の支援 |
内 容 | 大学が自主的に行うライセンスの点検・確認に対し、BSAが支援を行う |
支援内容 |
1.情報提供支援 専用Webサイトでの点検・確認に関する情報提供 メール相談窓口対応による情報提供 大学支援プロジェクトセミナー実施 講師派遣等 2.点検・確認支援 相談窓口での相談対応、およびカウンセリング BSAの費用負担による有料ソフトウェア管理ツールの一定限度の無償利用 3.法的責任免除(免責) 私立大学と公立大学のみに対し、本キャンペーンに賛同するBSAメンバー企業のソフトウェアの違法コピーが点検・確認自主調査中に発見された場合、一定の条件のもとにその法的責任が免除される |