リリース記事

■2011/6/21
BSAメンバー企業、広島県所在の出版会社との間で調停が成立
〜正規ユーザー保護のために法的手続きで権利を行使〜

安全で信頼できるデジタル社会の実現を推進するビジネス ソフトウェア アライアンス(本部:米国ワシントンDC、会長:ロバート・ハリマン、以下、BSA)は本日、BSAメンバー企業であるアドビシステムズ インコーポレーテッド(以下、アドビシステムズ)と広島県所在の出版会社(以下、A社)との間で、ビジネスソフトウェアの著作権侵害に関して、広島簡易裁判所において2011年6月7日付で調停が成立したと発表しました。

本事案は、去る2009年2月6日にBSAがホームページ上に開設する「情報提供窓口」に提供された組織内違法コピーに関する詳細な情報に基づき、権利者であるアドビ システムズが、代理人を通じて、A社に対し違法コピーの存否について、社内調査および調査結果の報告を求めていたものです。アドビシステムズからの再三の要求にも拘わらず、A社からの応答が全く得られなかったため、アドビシステムズはA社に対し2011年3月16日に調停を申し立てました。

組織内違法コピーに関する「情報提供窓口」:
http://www.bsa.or.jp/enforcement/provide.html

今回のA社への調停が成立したことを受けBSA日本担当事務局長の松尾早苗は、「著作権侵害の疑いがある企業が、権利者であるソフトウェアメーカーからの調査要請に対して、全く応答しないという企業姿勢は非常に悪質であると同時に残念でなりません。BSAは、適切なライセンス管理を行っている正規ユーザー保護のためにも、ソフトウェアの違法コピーを使用または放置する企業に対しては、引き続き法的手続も視野に入れた権利行使の支援を徹底してまいります」と述べています。

ソフトウェアの違法コピーは、ソフトウェアメーカーへの経済的損失により新たな製品開発を妨げるだけでなく、ソフトウェア産業の成長を鈍化させる要因となり、ひいては経済全体の成長にも悪影響を及ぼします。また、健全で信頼できるデジタル社会の実現へ向けた大きな阻害要因でもあり、その防止のためにソフトウェアメーカーが拠出する費用負担は決して小さくないのが実状です。

BSAでは「違法告発.com(www.145982.com)」や「情報提供窓口(電話、Webフォーム、Eメール)」の開設、および「C-SAMポータル(www.bsa.or.jp/csamportal/)」 「P-SAMポータル(www.bsa.or.jp/psamporta/)」等を通じたソフトウェア資産管理(SAM)の普及啓発活動により、引き続き正規ユーザーの保護ならびに違法コピーの利用を強いられている方々の環境改善を支援してまいります。

組織内違法コピーについて

企業や学校、病院など複数のコンピュータでソフトウェアを使う組織内における違法コピーが「組織内違法コピー」であり、現在日本でもっとも多く見られる違法コピー形態でもあります。例えば、1台のコンピュータでのみ使用することが許諾されたソフトウェアのパッケージを入手して複数のコンピュータにインストールするような場合がこれに該当します。

違法告発(イホウコクハツ).comについて

「違法告発.com」(www.145982.com)は、組織内違法コピーの実態と情報提供の安全性等を広く訴求することを目的にしたマイクロサイト。過去の通報案件をヒントに組織内違法コピーの手口を読み切り漫画で紹介する「違法コピーのある風景」、BSA日本担当顧問が情報提供の安全性やポイントをお答えする「BSAへの情報提供が安心な4つの理由」、違法コピーの通報経験者へのアンケートを基に、通報から違法コピー状態の改善までの貴重な体験談まとめた「私が決断した理由」の、3つのコンテンツで構成されています。

「C-SAMポータル」「P-SAMポータル」について

BSAがソフトウェア資産管理(SAM)推進のために開設したSAM情報ポータルサイトで、民間企業向けを「C-SAMポータル(www.bsa.or.jp/csamportal/)」、公共機関向けを「P-SAMポータル(www.bsa.or.jp/psamportal/)」としています。どちらも、1)ドキュメント・ライブラリ、2)SAM構築支援会社の紹介、3)講師紹介受付、という3つのSAM支援メニューで構成されており、SAMの理解に役立つだけでなく、担当の方がすぐにでも着手できるよう、構築手順書や規程、記録、基本台帳等といったSAM運用文書・帳票類を無償公開しあたり、SAMの専門家等の紹介も行っているのが特徴です。

BSAについて

ビジネス ソフトウェア アライアンス(BSA)は、世界80カ所以上の国や地域において、政策提言、教育啓発、権利保護支援などの活動を通じ、ビジネスソフトウェア業界の継続的な成長と、安全で信頼できるデジタル社会の実現を目指す非営利団体です。BSAは急成長を遂げるビジネスソフトウェア 業界を牽引するメンバー企業によって構成されています。1988年の米国での設立以来、常に政府や国際市場に先駆けて、世界のビジネスソフトウェア業界とそのハードウェア・パートナーの声を代表する組織として活動を継続し、教育啓発および著作権保護、サイバーセキュリティー、貿易、電子商取引を促進する政策的イニシアティブなどを通じ、技術革新の促進に努めています。BSAのメンバーには、アドビシステムズ, アジレント・テクノロジー, アンシス, アップル, Aquafold, ARM, Arphic Technology, オートデスク, ベントレー・システムズ, CNC/Mastercam, コーレル, Dassault Systèmes SolidWorks Corporation, メンター・グラフィックス, マイクロソフト, Minitab, NedGraphics, オルボテック, Parametric Technology Corporation, Progress, Quest Software, ロゼッタストーン, シーメンス, サイベース, シマンテック, テクラおよび The MathWorksが加盟し、活動を行っています。詳しくは、BSA日本のウェブサイトwww.bsa.or.jp、または、BSA米国本部のウェブサイトwww.bsa.org/usa(英語)をご覧ください。

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