リリース記事

■2010/10/26
BSAメンバー、熊本県所在の映画・ビデオ制作会社との調停が成立
〜 熊本簡易裁判所にて違法コピーなしとの主張を正し、違法コピーの存在を認める 〜

安全で信頼できるデジタル社会の実現を推進するビジネス ソフトウェア アライアンス(本部:米国ワシントンDC、会長:ロバート・ハリマン、以下BSA)は本日、BSAメンバー企業と熊本県所在の映画・ビデオ制作会社(以下、A社)との間に、ビジネスソフトウェアの著作権侵害に関し、2010年10月6日付で熊本簡易裁判所において、調停が成立したと発表しました。

本件は、違法コピーの蓋然性が高いにも関わらず、適法な複製を証することなく、違法コピーの存在はないと主張し続けたA社が、熊本簡易裁判所にて違法コピーの存在を認めた事案です。

本事案では、BSAが開設する情報提供窓口(http://www.bsa.or.jp/enforcement/provide.html)に提供された組織内違法コピーに関する詳細な情報に基づき、権利者であるアドビ システムズ インコーポレーテッド、マイクロソフト コーポレーション、およびオートデスク インクの3社が、代理人を通じて、A社に対し、違法コピーの存否について社内調査を求めておりました。A社より違法コピーの事実はないと回答があったものの、3社は、その内容からユーザー登録上の矛盾を確認しました。そこで、A社に対し、再三にわたり、適法な複製であることを推認させる資料の送付を求めましたが、的確な回答がなく、誠実な対応がなされないことから、やむなく2010年8月4日に調停申立に至りました。

ソフトウェアの違法コピーは、経済的損失により新たなソフトウェア開発を妨げるだけでなく、ソフトウェア産業の成長を鈍化させる要因となり、ひいては経済成長にも悪影響を及ぼします。また、安全で信頼できるデジタル社会実現の大きな阻害要因でもあり、その防止のためにソフトウェアメーカーが拠出する費用負担は決して小さくないのが実状です。

こうした状況改善のためにBSAでは、著作権に関わる法整備支援を目的とした政策提言活動や、ソフトウェア資産管理(SAM)に関するセミナーや各種資料の配布、BSAホームページ(www.bsa.or.jp)や違法告発.com(www.145982.com)での情報発信といった「違法状態の解消」のための教育啓発活動を積極的に行っておりますが、著作権者の権利保護および正規のソフトウェア・ユーザー保護のためにも、組織内違法コピーに対しては、引き続き法的手続きも視野に入れ、BSAメンバー企業に対し積極的に支援を行ってまいります。

組織内違法コピーについて

企業や学校、病院など複数のコンピュータでソフトウェアを使う組織内における違法コピーが「組織内違法コピー」であり、現在日本でもっとも多く見られる違法コピー形態でもあります。例えば、1台のコンピュータでのみ使用することが許諾されたソフトウェアのパッケージを入手して複数のコンピュータにインストールするような場合がこれに該当します。

違法告発(イホウコクハツ).comについて

「違法告発.com」(www.145982.com)は、組織内違法コピーの実態と情報提供の安全性等を広く訴求することを目的にしたマイクロサイト。過去の通報案件をヒントに組織内違法コピーの手口を読み切り漫画で紹介する「違法コピーのある風景」、BSA日本担当顧問が情報提供の安全性やポイントをお答えする「BSAへの情報提供が安心な4つの理由」、違法コピーの通報経験者へのアンケートを基に、通報から違法コピー状態の改善までの貴重な体験談まとめた「私が決断した理由」の、3つのコンテンツで構成されています。

BSAについて

ビジネス ソフトウェア アライアンス(BSA)は、世界80カ所以上の国や地域でビジネスソフトウェア業界の継続的な成長と、安全で信頼できるデジタル社会の実現を目指して、政策提言・教育啓発・権利保護支援などの活動を展開している非営利団体です。BSAは急成長を遂げるビジネスソフトウェア 業界をリードする企業で構成されています。1988年の米国での設立以来、常に政府や国際市場に先駆け、世界のビジネスソフトウェア業界とそのハードウェア・パートナーの声を代表する組織として活動をつづけ、教育啓発、および著作権保護、サイバーセキュリティー、貿易、電子商取引を促進する政策的イニシアチブを通して技術革新の促進に努めています。BSAメンバーは、アドビシステムズ、アジレント・テクノロジー、アルティウム、アップル、AquaFold、ARM、Arphic Technology、オートデスク、Autoform、AVEVA、ベントレー・システムズ、CNC/Mastercam、コーレル、ダッソー・システムズ・ソリッドワークス・コーポレーション、マイクロソフト、Minitab、NedGraphics、オルボテック、PTC、プログレス ソフトウェア、クエスト・ソフトウェア、Scalable Software、シーメンス、サイベース、シマンテック、テクラ、およびマスワークスで構成されています。詳しくは、BSA日本ウェブサイトwww.bsa.or.jpまたは、BSA米国本部ウェブサイトwww.bsa.org/usa/(英語)をご覧ください。

<参考資料>

BSA(日本)への情報提供件数推移

2009年に情報提供された業界TOP3

ウェブサイト