リリース記事

■2009/10/29
9割以上の大学と独立行政法人ではソフトウェアの管理が不適切
BSA、「ソフトウェア管理状況実態調査レポート」を公開
〜 約半数の大学と6割弱の独立行政法人では管理されていないコンピュータが存在 〜

ビジネス ソフトウェア アライアンス(本部:米国ワシントンDC、会長:ロバート・ハリマン、以下BSA)は本日、日本国内の大学と独立行政法人におけるソフトウェアの管理状況をまとめた「ソフトウェア管理状況実態調査レポート」を発表しました。今回の調査結果では、大半の大学と独立行政法人ではソフトウェア管理に着手はしているものの、適切な管理を実施できているのはごく一部でしかなく、残りの大多数の大学と独立行政法人ではライセンス違反などが起こりにくいソフトウェアの管理体制の構築と運用が未だ構築途上である実態が浮き彫りになりました。

この実態調査は、地方公共団体等における組織内違法コピーに関連する昨今の報道により公共機関におけるソフトウェアのコンプライアンスに対する関心が高まる中、2009年9月3日から9月24日にかけて各ソフトウェア管理担当者に対して管理状況に関するアンケートを電話で行い、大学は216件と独立行政法人は37件の有効回答を得たものです。

主な結果として、大学と独立行政法人ともに「ソフトウェア管理に着手している」のは9割程度で、そのうち約6割が「管理台帳」が整備されていると回答しました。一方、「管理規程」については、独立行政法人では4割、大学ではわずかに約3割でしか整備されておらず、7つの設問すべてに「はい」と回答できたのはともに5%台という非常に低い結果となりました。

BSA日本担当事務局長の松尾早苗は今回の調査結果に対し、「予想を超える管理実態の深刻さを示しており非常に驚いています。とりわけ大学に対して、BSAは2006年に国立、2007年には全ての大学を対象にした支援キャンペーンを実施するなど、ソフトウェア管理の適正化支援に注力してきただけに、管理体制構築の機会として活用して頂けなかったのは大変残念です。BSAがパブリックセクター向けに提供している資料やノウハウを参考に、早急に適切な管理体制の構築と継続的な運用を行って頂くことを願います」とコメントしています。

BSAでは本年8月25日に、自治体等パブリックセクターのソフトウェア資産管理(SAM)を支援するためのサイト「P-SAMポータル(www.bsa.or.jp/psamportal/)」を開設しており、SAM構築時に欠かせない構築手順書や規程、記録、基本台帳等の雛型類の無料ダウンロードや講師紹介などを通じて、中央省庁と地方公共団体、およびそれらの外郭団体、独立行政法人、国立大学法人、地方独立行政法人、学校法人、医療機関等のいわゆるパブリックセクターにおけるソフトウェアの適正管理を協力に推進しています。

調査結果のダウンロードはこちら

<調査概要>

調査名称: ソフトウェア管理状況実態調査
調査対象: 国・公私立の大学および短期大学 計745校
独立行政法人 97法人
調査期間: 2009年9月3日〜9月24日
回答者属性: 上記調査対象組織におけるソフトウェア管理担当者
有効回答数: 国・公私立の大学および短期大学 216サンプル <注1>
独立行政法人 37サンプル <注2>
有効回答率: 国・公私立の大学および短期大学 28.9%
独立行政法人 38.1%
設問数: 全7問
調査方法: オペレーターによる電話調査 <注3>
抽出方法: ランダム抽出

<設問>

  1. Q1. 貴校(法人)ではソフトウェアの管理を行っていますか?
    (以下Q.1で「はい」と回答した組織のみを対象)
  2. Q2. 貴校(法人)でのソフトウェア管理はライセンスとインストール状況の両方を管理するものですか?
  3. Q3. 貴校(法人)では「ソフトウェア管理規程」は整備されていますか?
  4. Q4. 貴校(法人)でのソフトウェア管理は所有する全てのコンピュータを対象としていますか?
  5. Q5. 貴校(法人)ではインストール台帳とライセンス台帳に加え、この2つを紐付けた台帳も整備されていますか?
  6. Q6. 貴校(法人)ではインストール状況の棚卸を年1回以上行っていますか?
  7. Q7. 貴校(法人)ではソフトウェア管理(状況や体制)を定期的にレビューしていますか?

<注1> <注2>電話調査で全設問に解答のあったサンプルを抽出

<注3>2009年8月31日付でBSAより上記調査対象にソフトウェア管理の徹底を促す書簡を送付。その後、上記調査期間にオペレーターによるフォローコールを行い、併せて匿名の統計データとして公開する場合があることを説明した上でソフトウェア管理状況に関する電話調査を行った。

<調査結果>

凡例

大学 (Q1:n=216, Q2-Q8:n=192)

凡例

独立行政法人 (Q1:n=37, Q2-Q8:n=35)

凡例

P-SAMポータル(パブリックセクター向けSAM支援ポータル)

www.bsa.or.jp/psamportal

パブリックセクターにおけるSAM構築に有用な情報をまとめたポータルサイト。SAMの啓発だけにとどまらず、パブリックセクターのSAMに特化した具体的なノウハウや事例の紹介、また支援プログラム(各種SAM関連雛型類の無償提供、SAM構築支援会社の紹介など)も提供しています。

BSAについて

ビジネス ソフトウェア アライアンス(BSA)は、世界80カ所以上の国や地域でビジネスソフトウェア業界の継続的な成長と、安全で信頼できるデジタル社会の実現を目指して、政策提言・教育啓発・権利保護支援などの活動を展開している非営利団体です。BSAは急成長を遂げるビジネスソフトウェア 業界をリードする企業で構成されています。1988年の米国での設立以来、常に政府や国際市場に先駆け、世界のビジネスソフトウェア業界とそのハードウェア・パートナーの声を代表する組織として活動をつづけ、教育啓発、および著作権保護、サイバーセキュリティー、貿易、電子商取引を促進する政策的イニシアチブを通して技術革新の促進に努めています。 BSAワールドワイド・メンバーにはアドビ システムズ, アップル, オートデスク, ベントレー・システムズ, コーレル, サイバーリンク, Dassault Systemes SolidWorks Corporation, Embarcadero, マカフィー, マイクロソフト, Minitab, クォーク, クエスト・ソフトウェア, ロゼッタストーン, シーメンス, サイベース, シマンテックおよびThe MathWorks が加盟し活動を行なっています。また、アジア太平洋地域ではアジレント・テクノロジー, アルティウム, Frontline PCB Solutions- An Orbotech Valor Company, Mindjet, NedGraphics, PTC, Scalable Software, および テクラ がそれぞれ活動に参加しています。詳しくは、BSA日本ウェブサイトwww.bsa.or.jpまたは、BSA米国本部ウェブサイトwww.bsa.org/usa/(英語)をご覧ください。

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