リリース記事

■2009/10/9
BSAメンバー、弘前市と総額約823万円で和解
〜 市立学校・幼稚園・公営企業等のPC調査の実施も約束 〜

安全で信頼できるデジタル社会の実現を推進するビジネス ソフトウェア アライアンス(本部:米国ワシントンDC、会長:ロバート・ハリマン、以下BSA)は本日、BSAメンバー企業と弘前市との間におけるビジネスソフトウェアの著作権侵害に関し、9月30日付で総額823万1,865円とする和解が成立したと発表しました。

本件は、BSAが組織内違法コピー撲滅のため開設している情報提供窓口への通報が端緒となり発覚したもので、2008年2月に権利者であるBSAメンバー企業が弘前市に対し、使用されているビジネスソフトウェアの不正利用の可能性を指摘していたものです。指摘後、弘前市による内部調査の過程で、AcrobatやFileMaker, Microsoft Office, Norton SystemWorks等のソフトウェアの違法コピーが弘前市役所本庁舎内等で発見されたため、権利者であるアドビ システムズ インコーポレイテッド、ファイルメーカー インク、マイクロソフト コーポレーション、シマンテック コーポレーションの代理人が弘前市との間で問題解決に向けた協議を重ねておりました。

とりわけ今年は地方公共団体における組織内違法コピーに関する報道が例年より多いことから、公共機関におけるソフトウェアのコンプライアンスに対する関心が急速に高まっています。そのため総務省自治行政局地域情報政策室でも、本年6月15日に、「コンピュータソフトウェア資産管理の徹底について」と題した事務連絡を、各都道府県情報政策担当課および各都道府県市区町村担当課に出すなど、各都道府県内におけるソフトウェア資産管理の徹底を呼びかけております。

なお、弘前市は今回の和解で、ソフトウェアの違法コピーを行わないことを約束した他、職員が違法コピーを行ったり利用したりしないよう、教育、指導、規律の徹底等で最善の努力をすることを約束しています。また弘前市は、今回の調査では対象外であった市立学校・幼稚園、公営企業等の施設内に設置されたPCについても綿密に調査し、和解後3年にわたり結果報告を年1回行うことを約束しており、BSAでは同市の改善に向けた取り組み姿勢を評価しています。

BSAに通報されたソフトウェアの組織内違法コピーは、2003年の178件から、2008年には3倍増を超える544件へと急激な増加を見せています。世界的な景気低迷が続く中BSAでは、経費節減を理由とした組織内での違法コピー増加を警戒し、組織内違法コピーの実態と過去の通報経験者の体験談などをまとめた情報サイト「違法告発.com(www.145982.com)」を通じて不正防止を呼びかけています。

また、BSAでは本年8月25日、地方公共団体を含むパブリックセクターにおけるソフトウェア資産管理(SAM)を支援するためのサイト「P-SAMポータル(www.bsa.or.jp/psamportal)」を開設。SAM構築時に欠かせない構築手順書や規程、記録、基本台帳等の雛型類の無料ダウンロードや講師紹介などを通じて、自治体におけるソフトウェアの適正管理を推進しています。

組織内違法コピーについて

企業や学校、病院など複数のコンピュータでソフトウェアを使う組織内における違法コピーが「組織内違法コピー」であり、現在日本でもっとも多く見られる違法コピー形態でもあります。例えば、1台のコンピュータでのみ使用することが許諾されたソフトウェアのパッケージを入手して複数のコンピュータにインストールするような場合がこれに該当します。

違法告発.comについて

「違法告発.com」(www.145982.com)は、組織内違法コピーの実態と情報提供の安全性等を広く訴求することを目的にしたマイクロサイト。過去の通報案件をヒントに組織内違法コピーの手口を読み切り漫画で紹介する「違法コピーのある風景」、BSA日本担当顧問が情報提供の安全性やポイントをお答えする「BSAへの情報提供が安心な4つの理由」、違法コピーの通報経験者へのアンケートを基に、通報から違法コピー状態の改善までの貴重な体験談まとめた「私が決断した理由」の、3つのコンテンツで構成されています。

パブリックセクター

BSAでは、中央省庁と地方公共団体、およびそれらの外郭団体、独立行政法人、国立大学法人、地方独立行政法人、学校法人、医療機関等をパブリックセクターと呼び、企業とは異なるSAM支援活動を実施しています。

P-SAMポータル(パブリックセクター向けSAM支援ポータル)

www.bsa.or.jp/psamportal
パブリックセクターにおけるSAM構築に有用な情報をまとめたポータルサイト。SAMの啓発だけにとどまらず、パブリックセクターのSAMに特化した具体的なノウハウや事例の紹介、また支援プログラム(各種SAM関連雛型類の無償提供、SAM構築支援会社の紹介など)も提供しています。

BSAについて

ビジネス ソフトウェア アライアンス(BSA)は、世界80カ所以上の国や地域でビジネスソフトウェア業界の継続的な成長と、安全で信頼できるデジタル社会の実現を目指して、政策提言・教育啓発・権利保護支援などの活動を展開している非営利団体です。BSAは急成長を遂げるビジネスソフトウェア 業界をリードする企業で構成されています。1988年の米国での設立以来、常に政府や国際市場に先駆け、世界のビジネスソフトウェア業界とそのハードウェア・パートナーの声を代表する組織として活動をつづけ、教育啓発、および著作権保護、サイバーセキュリティー、貿易、電子商取引を促進する政策的イニシアチブを通して技術革新の促進に努めています。BSAワールドワイド・メンバーにはアドビ システムズ, アップル, オートデスク, ベントレー・システムズ, コーレル, サイバーリンク, Dassault Systemes SolidWorks Corporation, Embarcadero, マカフィー, マイクロソフト, Minitab, NedGraphics, PTC, クォーク, クエスト・ソフトウェア, ロゼッタストーン, シーメンス, サイベース, シマンテックおよびThe MathWorks が加盟し活動を行なっています。また、アジア太平洋地域ではアジレント・テクノロジー, アルティウム, Frontline PCB Solutions- An Orbotech Valor Company, Mindjet, SPSS, テクラ およびトレンドマイクロ がそれぞれ活動に参加しています。詳しくは、BSA日本ウェブサイトwww.bsa.or.jpまたは、BSA米国本部ウェブサイトwww.bsa.org/usa/(英語)をご覧ください。

<参考資料>

BSA(日本)への情報提供件数推移

業界別情報提供件数ワースト3(2008年)

ビジネスソフトの著作権侵害に関する和解額ワースト5