リリース記事

■2009/2/13
BSAメンバー、大阪府所在の公益法人と和解
ビジネスソフトウェアの組織内違法コピー、総額約2,400万円で和解

安全で信頼できるデジタル社会の実現を推進するビジネス ソフトウェア アライアンス(本部:米国ワシントンDC、会長:ロバート・ハリマン、以下BSA)は本日、BSAメンバー企業と大阪府所在の公益法人(以下、公益法人A)との間で、ビジネスソフトウェアの著作権侵害に関し、本日付で損害賠償額を総額約2,400万円(2,3733,300円)とする和解が成立したと発表しました。

本件は、BSAが組織内違法コピーの問題解決のために設置している情報提供窓口への通報が端緒となり発覚した事案です。2006年10月に権利者であるBSAメンバー企業が公益法人Aに著作権侵害の可能性を指摘し、これを受けた公益法人Aが内部調査を実施。その過程で、Photoshop(R)やMicrosoft)(R Office、AutoCAD(R)等のソフトウェアの違法コピーが発見されたため、問題解決に向け、権利者であるアドビ システムズ インコーポレイテッド(以下アドビ)、オートデスク インク(以下オートデスク)、マイクロソフト コーポレーション(以下マイクロソフト)の代理人が公益法人Aの代理人との間で協議を重ねていました。

今回の和解に関して、BSA日本事務局長の松尾早苗は「民間に範を垂れるべき公益法人で著作権侵害が行われていたことは残念でなりません。BSAは今年の基本方針のひとつに?パブリックセクター(注1)におけるソフトウェア資産管理(SAM)の普及強化?を掲げており、今後は再発防止に向けた公益法人Aへの協力のみならず、パブリックセクター全体のSAM支援強化に取り組む所存です」と述べています。

BSAが開設している組織内違法コピーに関する情報提供窓口への通報は近年増加傾向にあり、2003年に178件であった情報提供数が2008年には約3倍の544件と過去最多を記録しています。世界的な景気後退が進む中、BSAでは業績悪化による経費節減を理由にした組織内でのソフトウェアの不正利用増加を警戒しており、本年1月29日には、組織内違法コピーの実態と過去の通報経験者の体験談などをまとめた情報サイト「違法告発.com(http://145982.com)」を公開し、不正防止を呼びかけています。

BSAでは、「違法告発.com」の開設および「情報提供窓口」の運営を通じて、メンバー企業の権利行使の支援のみならず、正規ユーザーの保護、違法コピーの利用を強いられている方々の環境改善を支援してまいります。

(注1) パブリックセクターとは、中央省庁と地方公共団体、およびそれらの外郭団体と、独立行政法人、国立大学法人、地方独立行政法人、学校法人等を意味します。

組織内違法コピーについて

企業や学校、病院など複数のコンピュータでソフトウェアを使う組織内における違法コピーが「組織内違法コピー」であり、現在日本でもっとも多く見られる違法コピー形態でもあります。例えば、1台のコンピュータでのみ使用することが許諾されたソフトウェアのパッケージを入手して複数のコンピュータにインストールするような場合がこれに該当します。

BSAについて

ビジネス ソフトウェア アライアンス(BSA)は、世界80カ所以上の国や地域でビジネスソフトウェア業界の継続的な成長と、安全で信頼できるデジタル社会の実現を目指して、政策提言・教育啓発・権利保護支援などの活動を展開している非営利団体です。BSAは急成長を遂げるビジネスソフトウェア 業界をリードする企業で構成されています。1988年の米国での設立以来、常に政府や国際市場に先駆け、世界のビジネスソフトウェア業界とそのハードウェア・パートナーの声を代表する組織として活動をつづけ、教育啓発、および著作権保護、サイバーセキュリティー、貿易、電子商取引を促進する政策的イニシアチブを通して技術革新の促進に努めています。BSAワールドワイド・メンバーにはアドビ システムズ, アップル, オートデスク, ベントレー・システムズ, CNC Software/Mastercam, コーレル, サイバーリンク, Dassault Systemes SolidWorks Corporation, Embarcadero, マカフィー, マイクロソフト, Minitab, NedGraphics, PTC, クォーク, クエスト・ソフトウェア, ロゼッタストーン, シーメンス, サイベース, シマンテックおよびThe MathWorks が加盟し活動を行なっています。また、アジア太平洋地域ではアジレント・テクノロジー, アルティウム, Frontline PCB Solutions- An Orbotech Valor Company, Mindjet, SPSS, テクラ およびトレンドマイクロ がそれぞれ活動に参加しています。詳しくは、BSA日本ウェブサイトwww.bsa.or.jpまたは、BSA米国本部ウェブサイトwww.bsa.org/usa/(英語)をご覧ください。

参考資料

BSA(日本)への情報提供件数推移


BSA(日本)への情報提供件数推移

業界別情報提供件数ワースト3(2008年)


業界別情報提供件数ワースト3(2008年)

ビジネスソフトの著作権侵害に関する和解額ワースト5


ビジネスソフトの著作権侵害に関する和解額ワースト5