■2007/07/02
BSA、ソフトウェアの違法コピーに対する取り組みを強化
ワシントンDC発2007年7月2日―米国の大手ソフトウェアメーカーで構成されているグローバル組織であるビジネス ソフトウェア アライアンス(BSA)は、米国において2007年7月〜10月の間、現在の謝礼金20万ドルを100万ドルまで引き上げることにより、職場における違法コピーの撲滅を強化すると発表しました。
BSAによる過去に例のないこの謝礼額引き上げは、米国のビジネスにおけるソフトウェアの違法コピー撲滅に対する同団体の意気込みを示しています。IT業界のグローバル市場調査及び予測を行っている大手リサーチ会社、インターナショナルデーターコーポレイション(IDC)が独自に行った調査によると、ソフトウェアの違法コピーによる2006年米国の損害額は73億ドルでした。
BSA謝礼金制度は、2005年の秋に米国で導入されました。この制度は、ソフトウェアの違法コピーの事実を詳しく知る人から、その著作権侵害行為に関する通報を促すためのものです。2005年のこの謝礼金制度導入時以来、BSAは数百社と和解し、その結果2,200万ドル近い和解金を受け取っています。
今回の謝礼金増額の発表に併せて、BSAでは従業員にソフトウェアの違法コピーの通報を奨励する「Blow the Whistle(ブロー・ザ・ホイッスル)」(警笛を鳴らそう)*1 と題した全米広告キャンペーンを開始しました。カリフォルニア、テキサス、イリノイ、ニューヨーク、フロリダ、ニュージャージー、ペンシルバニア、オハイオ、ジョージア、アリゾナの各州を対象に、ラジオ放送やインターネット広告を通じて7月から年内いっぱい展開されます。
「ソフトウェアの違法コピーを通報するのは正しい行動であり、信頼できる情報を進んで提供してくれる方々に対しBSAは喜んで謝礼金を提供したいと考えています。」とBSAのジェニー・ブランク法務担当ディレクターは述べています。「BSAでは引き続きソフトウェアの違法コピーの撲滅に取り組んでいく所存であり、謝礼金がこの地道な取り組みを成功させる一助になればと思っています。企業は、職場でライセンス契約のないソフトウェアを使用するのに、無数の言い訳をよくします。BSAは、今回こうした著作権侵害行為を正してくれる従業員に対し、最高100万ドルまでの謝礼金をお支払いします。」
BSAの謝礼金制度について詳しく知りたい方、または通報したい方は、BSAのウェブサイト(www.bsa.org)へアクセスするか、電話(1-888 NO PIRACY)にてご連絡ください。謝礼金が支払われるかどうかは、情報の内容や精度をもとに判断されます。詳しくはBSAのWebサイトをご覧ください。また、自社がライセンス契約のないソフトウェアを使用しているかどうかをチェックしたい場合は、www.bsaaudit.comから無料のソフトウェア監査ツールをダウンロードできます。
*1:「Blow the Whistle」は、「内部告発をする」ことを意味します。
無数の言い訳
企業はしばしばソフトウェア管理の重要性を認識せず、それゆえに、財務やセキュリティ、法的責任面で危険にさらされていることに気づいていません。「無数の言い訳」では、ライセンス契約のないソフトウェアの使用が発覚した場合、企業を守ることはできません。以下はその例です。
- 従業員、もしくは元従業員が無断でソフトウェアをインストールした。また、コンプライアンスに遵守するよう指示したが従わなかった。また、解雇された従業員により違法コピーがインストールされた等。
- 事業が急成長したため、ライセンスについてまで注意が行き届かなかった。
- 違法コピーは社内のPCにインストールされていたが、実際には使われていなかった。
- ライセンス契約を申請中だが、現時点では得ていない。
- IT部門の管理体制が行き届いていなかった。
- 外注しているIT企業がライセンスを管理していなかった。
コンプライアンスを遵守すべき理由
BSAは、ほとんどの企業は道徳的であると信じていますが、優れたコーポレート・ガバナンス(企業統治)が道徳的、合法的に業務を遂行するための全社的なチェック・バランス体制であることは必ずしも理解されていません。ソフトウェア資産管理(SAM)プログラムを導入することは、企業に次のような多大な利点をもたらします。
- ソフトウェアに対する直接経費だけでなく、それに付随するプロセスやインフラの面でも大幅なコスト節減につながる。
- ソフトウェアメーカーとの交渉で優位に立つことができ、ソフトウェア購入の手配がしやすくなる。
- より戦略的なインフラストラクチャーの計画立案が可能になる。
- 過剰なライセンスの取得を防ぎ、ハードウェアの過剰配備を割り出す一方、IT管理費を節減し、その関連コストの負担を軽減する。
- IT担当部門は従業員がアクセス可能なソフトウェアをきちんと管理できるようになり、ライセンス契約のないソフトウェアがネットワークに導入される危険を大幅に削減する。
ソフトウェアの違法コピーは法令に背く行為であり、全米の数千に及ぶ企業に悪影響を及ぼし、数百万ドルの税収減や失業をもたらします。さらに、ソフトウェアの違法コピー1件につき最高15万ドルまでの罰金が科され、セキュリティや技術的に厄介な問題に陥るリスクを増大させます。独自調査*2 によると、米国で使用されているソフトウェアの21%がライセンス契約がないという結果が出ています。
*2:IDCがBSAのために実施した「世界ソフトウェア違法コピー調査」2006年5月
BSAについて
ビジネス ソフトウェア アライアンス(BSA)は、世界80カ所以上の国や地域でビジネスソフトウェア業界の継続的な成長と、安全で信頼できるデジタル社会の実現を目指して、政策提言・教育啓発・権利保護支援などの活動を展開している非営利団体です。BSAは急成長を遂げるビジネスソフトウェア 業界をリードする企業で構成されています。1988年の米国での設立以来、常に政府や国際市場に先駆け、世界のビジネスソフトウェア業界とそのハードウェア・パートナーの声を代表する組織として活動をつづけています。BSAのメンバーにはアドビシステムズ, アジレント・テクノロジー, アルティウム, アップル, オートデスク, アビッドテクノロジー, BEAシステムズ, ベントレー・システムズ, ボーランド, Breault Research Organization, CA, ケイデンス・デザイン・システムズ, シスコシステムズ, CNC Software/Mastercam, デル, EMC, エントラスト, Frontline PCB Solutions- An Orbotech Valor Company, HP, IBM, インテル, アイナステクノロジー, マカフィー, マイクロソフト, Mindjet, Minitab, Monotype Imaging, PTC, SAP, ソリッドワークス, SPSS, サイベース, シマンテック, シノプシス, テクラ, The MathWorks, トレンドマイクロ および UGS が加盟し活動を行なっています。詳しくは、BSA日本ウェブサイトwww.bsa.or.jpまたは、BSA米国本部ウェブサイトwww.bsa.org/usa/(英語)をご覧ください。