■2007/3/23
各社CTOがイノベーションと経済成長の推進を連邦議会に要請

ワシントンD.C.（3月6日火曜日） - 米国のソフトウェアおよびハードウェア業界をリードするトップ企業各社のCTO（最高技術責任者）が、技術革新の推進と経済成長の維持に関する要請文を連名で米国連邦議員他に提出しました。

ビジネス　ソフトウェア　アライアンス（BSA）の第3回年次CTOフォーラムでは、各社のCTOがワシントンに集いました。そこで、政府高官や連邦議会議員など、ソフトウェアおよびハードウェア業界に影響を与える政策立案者との会談が設けられ、フォーラムの幕開けにこの要請文*が作成されました。要請文では、数ある優先事項の中から、時代に即していない不公平な特許制度の見直しと、連邦政府による基本研究への取り組み強化という、米国のテクノロジー革新で非常に重要な役割を果たす2つの分野が取り上げられました。本年度のCTOフォーラムには、以下のBSAメンバー企業が参加しています。

トム・マロイ（Tom Malloy）、アドビシステムズ
バド・トリブル（Bud Tribble）、アップル
ケビン・ケトラー（Kevin Kettler）、デル
ジェフ・ニック（Jeff Nick）、EMC
クリス・ローランド（Chris Rouland）、アイ・ビー・エム
ジョージ・ヘロン（George Heron）、マカフィー
クレイグ・マンディ（Craig Mundie）、マイクロソフト
ラジ・ネイサン（Raj Nathan）、サイベース
ロバート・クライド（Robert Clyde）、シマンテック

BSA会長兼CEOであるロバート・ハリマン（Robert Hollyman）は、「テクノロジー業界は、米国のイノベーションを推進するエンジンですが、政府も重要な役割を担っています。企業がイノベーションを生み出せる環境育成に向けて政府が政治的主導権を発揮することは、業界が今後も成果を上げていく上で非常に重要です」と語っています。

各社CTOは、時代に即していない特許制度の見直しとして、問題のある特許や根拠のない訴訟の低減、特許の品質向上、米国特許制度と他国の特許供与国との調整などを訴えました。「一般消費者が最先端テクノロジーを活用するようになった現在、技術革新を推進する公平でバランスのとれた基盤を作る特許制度があってこそ、将来のテクノロジーへの投資が活かされます」（ＣＴＯ代表コメント）。また、将来的な製品開発で中心的役割を果たす基礎研究資金を今後5年間に渡って2倍に増額することと、研究開発に永続的な税額減免を適用することを強く要請しました。

ハリマンは、「研究資金充実を目的とした税の優遇措置が新たに導入されるかもしれない、という期待だけでは、企業は創造性を発揮できません。将来的な展望を持ったプランニングを行うためには、確約が必要なのです」と語っています。

他にも、次のような要望が盛り込まれました。

• 米国のビザ制度の改正およびビザ申請手続きの合理化 - サイエンスやテクノロジーの分野で高度な教育を受けた外国人のプロフェッショナルや研究者を確保
• インターネットの安全性と信頼性の向上 - 一般ユーザのオンライン保護機能の強化、サイバー犯罪の様々な手口への対策として法的処罰を強化（最新のサイバー犯罪手口に対応した刑法改正、サイバー犯罪の罰則強化、サイバー犯罪規制のための研究開発、サイバー科学捜査トレーニング、機器のための資金拡充）
• 研究開発に関する税の優遇措置の簡易化、強化、永続化 - イノベーションを推進する企業による将来のプラン作成や研究スケジュール展開が可能に
• K-12での理数系教育の改善プログラムの資金拡充 - 才能ある新任教師を対象とした授業料の前払い、理数系教師の給与引き上げ、プロフェッショナルのエンジニアや科学者が教壇に立つ「実施要請」の策定

*CTOの要請文の全文は、次のリンクをクリックしてください。http://www.bsa.org/usa/policy/2007-cto-letter.pdf