リリース記事

■2007/1/30
ビジネス ソフトウェア アライアンス、
今期、教育機関・自治体/公益法人・ソフトウェア業界のコンプライアンス支援に注力
〜組織内違法コピーの情報提供件数は前年比31件増の376件〜

安全で信頼できるデジタル社会の実現を推進するビジネス ソフトウェア アライアンス(BSA)は本日、2007年の基本活動方針を、“教育機関・自治体/公益法人・ソフトウェア業界のコンプライアンス支援”に注力すると発表いたしました。

昨年実施した国立大学向けプロジェクトでは33機関が参加、ニーズの高さを実感

BSAは昨年、2006年2月に出された文部科学省の通知※を受けて、国立大学等を対象にソフトウェアの管理を支援する「国立大学法人等支援プロジェクト」を発足し、活動を行いました。その結果33機関(研究機構、国立高等専門学校含む対象総数154機関)が同プロジェクトに参加登録するなど、その関心の高さが伺える結果を得たため、BSAでは私立大学や専門学校等の教育機関はもちろん、公共団体においても同様のニーズがあると考え、今期は同プロジェクトを教育機関と自治体/公益法人にまで拡大することを決定致しました。

業界別1位は、「ソフトウェア業界」で全体の4分の1

2006年にBSAの情報提供窓口に寄せられた情報提供数の多い業界別上位は、1位が「ソフトウェア業界」(88件)、2位に「広告・出版業界」(27件)、3位に「印刷業界」(18件)でした。
BSAでは今後も引き続き、各種業界団体に対し、ソフトウェアの知的財産権に関する意識啓発ならびに積極的なソフトウェア利用の適正化を推進してまいります。

SAMのISO化により、ますます求められる企業の健全性

ソフトウェア資産管理(SAM)については、昨年、国際標準化機構(ISO)が標準化することを既に発表しました。今後、企業や団体にとってSAMは内部統制などと同様に組織の健全性・信頼性を示すために不可欠な取り組みになると考えられます。

組織内違法コピーに関する情報提供件数は376件と、依然増加傾向

BSAが開設している組織内違法コピーに関する情報提供窓口(フリーダイヤル、Eメール、ホームページ)に、昨年一年間に寄せられた違法コピーに関する情報提供件数は376件(前年比31件増)にのぼりました。この件数は157件であった2003年と比べ2倍以上の数値であり、依然増加傾向にあります。BSAではこの結果を、内部統制をはじめ企業に対する「透明性」が強く求められる社会となったことで個人のコンプライアンスに対する意識が高まってきたこと、また、ソフトウェアの著作権に対する理解が浸透しつつあるためだと分析しています。

BSAでは今後も引き続き、ソフトウェア著作権に関する意識啓発ならびに積極的なソフトウェア利用の適正化を推進することで、安全で信頼できるデジタル社会の実現を目指してまいります。

以上

組織内違法コピーについて

企業や学校、病院、地方公共団体など複数のコンピュータでソフトウェアを使う組織内における違法コピーが、この「組織内違法コピー」であり、現在日本で顕著にみられる違法コピー形態でもあります。例えば、1 台のコンピュータでのみ使用することが許諾されたソフトウェアのパッケージを入手して複数のコンピュータにインストールするような場合がこれに該当します。

BSAについて

ビジネス ソフトウェア アライアンス(BSA)は、世界80カ所以上の国や地域でビジネスソフトウェア業界の継続的な成長と、安全で信頼できるデジタル社会の実現を目指して、政策提言・教育啓発・権利保護支援などの活動を展開している非営利団体です。BSAは急成長を遂げるビジネスソフトウェア業界をリードする企業で構成されています。1988年の米国での設立以来、常に政府や国際市場に先駆け、世界のビジネスソフトウェア業界とそのハードウェア・パートナーの声を代表する組織として活動をつづけています。BSAワールドワイド・メンバーにはアドビシステムズ, アップル, オートデスク, アビッドテクノロジー, BEAシステムズ, ベントレー・システムズ, ボーランド, CA, ケイデンス・デザイン・システムズ, シスコシステムズ, CNC Software/Mastercam, デル, エントラスト, Frontline PCB Solutions- An Orbotech Valor Company, HP, IBM, インテル, アイナステクノロジー, マカフィー, マイクロソフト, Minitab, Monotype Imaging, PTC, RSAセキュリティ, SAP, ソリッドワークス, サイベース, シマンテック, シノプシス, テクラ, The MathWorks, トレンドマイクロ および UGS が加盟し活動を行なっています。詳しくは、BSA日本ウェブサイトwww.bsa.or.jpまたは、BSA米国本部ウェブサイトwww.bsa.org(英語)をご覧ください。

<添付資料①>

BSA情報提供窓口(日本)への通報件数推移(フリーダイヤル、Eメール、ホームページ)

BSA情報提供窓口(日本)への通報件数推移

違法コピーによる被害状況(出典 BSA/IDC世界違法コピー率調査、2006年5月発表)

項目 日本 全世界
2004年 2005年 2004年 2005年
違法コピー率 28% 28% 35% 35%
損害額 約1,900億円 約1,800億円 約330億ドル 約340億ドル

2006〜2009年までの4年間で日本の違法コピー率が10%低下した場合の経済効果
(出典 BSA/IDC 世界経済効果調査、2005年12月発表)

項目 日本 全世界
GDP浮揚効果 2兆8,800億円 4,000億米ドル
雇用創出数 35,000人 2,400,000人
税収効果 4,800億円 670億米ドル

海外動向

  • 中国政府が海賊版ソフトを含む著作権侵害の取り締まりに向けた協定に関する覚書に署名
    (BSAほか、英国出版協会、米国出版協会、米国映画協会などの米英4団体が参加)

<添付資料②>

国立大学法人等支援プロジェクトの概要

正式名称 BSA国立大学法人等支援プロジェクト(略称:大学支援プロジェクト)
参加登録 2006年8月1日〜9月30日(報告期限:2006年11月30日)
対 象 国立大学法人等情報化推進協議会 加入機関
目 的 上記協議会加入機関におけるソフトウェア点検・確認自主調査の支援
賛同企業 合計12社のBSAメンバー企業
アドビシステムズ, アップル, オートデスク, シマンテック,トレンドマイクロ, PTC, ベントレー・システムズ, ボーランド,マイクロソフト,マカフィー, Minitab, UGS (50音順、2006年9月4日現在)
内 容 本年2月16日に文部科学省が国立大学法人学長等宛に発したソフトウェアの適正な管理の徹底に関する通知を受け、大学等が自主的に行うライセンスの点検・確認に対し、BSAが支援を行う
支援内容
  1. 情報提供支援
    • 専用Webサイトでの点検・確認に関する情報提供
    • メール相談窓口対応による情報提供
    • 大学支援プロジェクトセミナー実施
    • 講師派遣等
  2. 点検・確認支援
    • 相談窓口での相談対応、およびカウンセリング
    • BSAの費用負担による有料ソフトウェア管理ツールの一定限度の無償利用
  3. 法的責任免除(免責)
    • 本プロジェクトに賛同するBSAメンバー企業のソフトウェアの違法コピーが点検・確認自主調査中に発見された場合、その法的責任が免除される

※文部科学省の通知について

文書名 「コンピュータソフトウェアの適正な管理の徹底について」
年月日 平成18年2月16日
作成者 文部科学省大臣官房政策課長
送付先 国立教育政策研究所長、科学技術政策研究所長、日本学士院長、日本芸術院長、各国立大学法人学長、各大学共同利用機関法人機構長、各独立行政法人の長、日本私立学校振興・共済事業団理事長、放送大学学園理事長、公立学校共済組合本部理事長
内 容 先般、一部の国立大学法人においてコンピュータソフトウェアが大量に不正コピーされているとの報道があったところです。各機関においては、従来よりコンピュータソフトウェアの適正な運営・管理を行っているものと思いますが、このことを踏まえ、下記について各機関で点検・確認等を行い、より一層の適正管理を図っていただくようお願いいたします。なお、文化庁より出されている「大学等におけるコンピュータプログラムに係る著作権保護について(通知)」(庁文著第92号)を別添いたしますので、あわせて参考にして下さい。

  1. ソフトウェア管理台帳等による点検・確認
  2. 管理体制・管理機能の確認
  3. 機関内のコンピュータを利用する全ての教職員及び学生への啓蒙活動

以上

(なお、本文中に「通知」と表現しておりますが、正式には通知という名称はつけられておりません。)