■2006/05/23
昨年の日本の違法コピー率は28%、損害額は約1800億円
- 全世界の違法コピー率は35%で変わらず、損害額は340億ドル -
ビジネス ソフトウェア アライアンス(本部:米国ワシントンDC、会長兼CEO:ロバート・ハリマン、以下BSA)は5月23日、日本における昨年の違法コピー率は前年同率の 28%、同損害額は16.21億米ドル(約1,800億円*)という結果であったと発表いたしました。 このデータは、2005年1月〜12月における全世界PCソフトウェアの違法コピー状況を調査した「第3回BSA・IDC世界ソフトウェア違法コピー調査」の結果によるものです。
同調査はBSAが世界的なハイテク調査会社であるIDCに委託したもので、これによると2005年の全世界の違法コピー率は35%、同損害額は340億(約3兆8000億円)ドルとなったものの、中国、ロシア、インドなどの新興国および中央・東ヨーロッパ、中東、アフリカの数多くの市場で、違法コピー率の低下が明らかになっています。
この結果について、ロバート・ハリマンBSA会長兼CEOは「一部の新興市場における成果として、PCソフトウェアの違法コピーを減少したことは喜ばしいことです。しかし、2005年に使用されたPCソフトウェアのうち、依然として1/3を超える割合のものが違法に入手されています。このため、ソフトウェアの違法コピー防止への世界全体での取り組みを、さらに推進していく必要があります」と、説明しています。
同調査結果では、中東およびアフリカの26カ国中19カ国において違法コピー率が減少し、そのうち12カ国では2ポイント以上の減少が明らかになっています。PCソフトウェアの違法コピー率は、ロシアでは4ポイント、インドでは2ポイント、さらに、世界有数のIT市場の急成長国である中国では4ポイント減少しています。
また、今回の結果についてBSAアジア兼日本担当事務局長今泉寛は、「今回の調査では、昨年の日本は損害額に若干の減少があったものの、違法コピー率には変動がありませんでした。我々としてはこの結果に甘んじることなく、引き続き違法コピーを予防するための取り組みを積極化することで、安全で信頼できるデジタル社会の実現を目指してまいります」と述べています。
主要な調査結果は以下のとおりです。
(単位:百万ドル)
高違法コピー率上位10ヶ国 | 低違法コピー率上位10ヶ国 | 高違法コピー損害額 上位10ヶ国 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
ベトナム | 90% | 米国 | 21% | 米国 | $6,895 | ||
ジンバブエ | 90% | ニュージーランド | 23% | 中国 | $3,884 | ||
インドネシア | 87% | オーストラリア | 26% | フランス | $3,191 | ||
中国 | 86% | フィンランド | 26% | ドイツ | $1,920 | ||
パキスタン | 86% | デンマーク | 27% | イギリス | $1,802 | ||
カザフスタン | 85% | ドイツ | 27% | ロシア | $1,625 | ||
ウクライナ | 85% | スウェーデン | 27% | 日本 | $1,621 | ||
カメルーン | 84% | スイス | 27% | イタリア | $1,564 | ||
ロシア | 83% | イギリス | 27% | カナダ | $779 | ||
ボリビア | 83% | 日本 | 28% | ブラジル | $766 |
本調査は、PCで使用するすべてのパッケージソフトウェアを調査対象としていますが、メインフレームやサーバー上で使用される、またはサービスの一環として販売されるソフトウェアなど、パッケージソフトウェア以外のタイプのソフトウェアは対象としていません。IDCでは、ソフトウェアの違法コピー状況を確認するために、ソフトウェアとハードウェアの出荷数に関する独自の統計データを使用し、5,600件の調査を実施しました。この調査には、38カ国の IDCアナリストが参加しています。
*為替レートは1$=110円で計算
違法コピー率の算出方法
違法コピー率の算出は、「該当年度ソフトウェア違法コピー数」を「該当年度にインストールされたソフトウェア総数」で割った百分率として算出しています。上記、違法コピー数は、「当該年度に稼動しているPCにインストールされたソフトウェア総数」と、「該当年度に正規に出荷されたソフトウェアの本数」との差によって求められます。
BSAについて
ビジネス ソフトウェア アライアンス(BSA)は、世界80カ所以上の国や地域でビジネスソフトウェア業界の継続的な成長と、安全で信頼できるデジタル社会の実現を目指して、政策提言・教育啓発・権利保護支援などの活動を展開している非営利団体です。BSAは急成長を遂げるビジネスソフトウェア 業界をリードする企業で構成されています。1988年の米国での設立以来、常に政府や国際市場に先駆け、世界のビジネスソフトウェア業界とそのハードウェア・パートナーの声を代表する組織として活動をつづけています。BSAワールドワイド・メンバーにはアドビシステムズ,アップル, オートデスク, アビッドテクノロジー, BEAシステムズ, ベントレー・システムズ, ボーランド, CA, ケイデンス・デザイン・システムズ, シスコシステムズ, CNC Software/Mastercam, デル, エントラスト, Frontline PCB Solutions- An Orbotech Valor Company, HP, IBM, インテル, アイナステクノロジー, マカフィー, マイクロソフト, Minitab, Monotype Imaging, PTC, RSAセキュリティ, SAP, ソリッドワークス, サイベース, シマンテック, シノプシス, テクラ, The MathWorks, トレンドマイクロ および UGS が加盟し活動を行なっています。詳しくは、BSA日本ウェブサイトwww.bsa.or.jpまたは、BSA米国本部ウェブサイトwww.bsa.org/usa/(英語)をご覧ください。