リリース記事

■2006/05/01
BSAとACCS、著作権侵害摘発の岐阜県警に感謝状を贈呈

(社)コンピュータソフトウェア著作権協会(ACCS)とビジネス ソフトウェア アライアンス(BSA)は、「P-ブランド」の名称でWebサイトを開設し、ネット通販を装ってパソコン用ビジネスソフトの海賊版を販売していた男性らによる著作権侵害の刑事摘発について、平成18年4月28日、摘発を行った岐阜県警察本部を訪問して感謝状の贈呈を行いました。これは、2億円以上を売り上げたとみられる、組織的に役割分担された海賊版販売グループによる大規模かつ悪質な同事件の解決を高く評価し、ACCSとBSAが同県警に感謝の意を表したものです。

本事件は、「P-ブランド」と名乗ったWebサイトにおいて大規模に海賊版を販売し、著作権侵害行為を行っていた男性ら7人を、平成17年12月6、7日に、その後の捜査により、平成18年1月25日には2人を、岐阜県警と警視庁ハイテク犯罪対策総合センターの合同捜査本部が摘発・逮捕したものです。ACCSには、平成15年7月ごろから、「P-ブランド」の海賊版販売行為に関する約500件の情報が一般の方から寄せられており、その後ACCSでは、証拠品の入手など事件解決のため、捜査活動に積極的な協力を行っていました。また、BSAは、この事件の重要性に鑑み、ACCSと共同で感謝状を贈呈することといたしました。

今回、ACCS副理事長代行の畑英文とBSAアジア事務局長兼日本事務局長の今泉寛の2人が岐阜県警を訪問し、田上昌良生活安全部長に感謝状を贈呈いたしました。
感謝状の進呈に際しACCS副理事長代行の畑英文は、「巧妙かつ悪質な事案の摘発に対して、感謝したい。捜査協力と併せ著作権教育の普及にも力を入れたい。」と述べました。また、BSAアジア事務局長兼日本事務局長の今泉寛は、「日本はアジアの中でも、ネット社会が成熟している。その中で起きた、このような事件の解決に大変感謝している。今後も業界として、捜査などへのバックアップをしていきたい。」と述べました。
一方、感謝状を受け取った岐阜県警察本部生活安全部長の田上昌良警視正は、「サイバー犯罪対策の取りかかりとして事件解決できた。地道な捜査が実ったと思う。」と述べました。

なお現在、海賊版販売グループメンバー9人に対する刑事公判が東京地裁で行われており、去る4月25日には、このうちの4人について結審し、女性Dについて、懲役2年6月及び罰金150万円、女性C、E、男性Fについて、それぞれ懲役2年及び罰金50万円が求刑されました(5月24日に判決が言い渡される予定です)。

ACCSとBSAは、安全で信頼できるデジタル社会の実現を推進するため、今後も引き続き著作権侵害対策を積極的に行ってまいります。

事件概要

  • それぞれが役割分担し、組織的に海賊版販売を行っていた。
    品川区の自営業男性A(31歳) 主犯
    江東区の無職男性B(30歳) 売上台帳管理、経費管理、
    ウェブサイト運営
    世田谷区の美容師女性C(26歳) 複製、梱包、箱詰め
    横浜市の無職女性D(23歳) 複製、梱包、箱詰め、
    ウェブサイト運営
    横浜市の無職女性E(27歳) 複製、梱包、箱詰め
    千葉県松戸市のアルバイト男性F(29歳) 発送
    千葉県鴨川市の会社員男性G(46歳) 売上金引き出し、別口座への入金
    横浜市の通信販売業男性H(40歳) 男性Aに販売方法、パソコン操作を教授、
    ウェブサイト運営
    横浜市の無職男性I(24歳) ウェブサイト運営
    ※被告人の年齢は、逮捕された当時のものです。

  • 9人は、事務所を設置し、役割分担し海賊版販売を行っていた。
  • 事務所を数回移転し、場所が発覚しないよう工作していた。
  • 平成17年12月6、7日、A〜Gら7人を著作権法違反の疑いで逮捕。
  • 平成18年1月25日、H、Iをグループの一派として著作権法違反の疑いで逮捕。
  • 平成18年4月25日、女性C、女性D、女性E、男性Fについて結審。5月24日判決予定。

また、本日の岐阜県警に対する感謝状贈呈式の写真データ(jpeg形式)をご提供することができます。ご希望の方は、ACCS、BSAの担当窓口にご連絡ください。

ACCS について

社団法人コンピュータソフトウェア著作権協会(ACCS)は、コンピュータソフトウェアをはじめとするデジタル著作物の著作権者の権利を保護するとともに、著作権の普及活動を行い、コンピュータ社会における文化の発展に寄与することを目的として1985年に設立された文部科学省・文化庁許可の社団法人です。平成18年4月20日現在、302社の日本国内外のソフトウェアメーカーやコンテンツメーカーなどが会員となり、構成されています。また、著作権及び情報モラルの普及のため、セミナー・出版等の広告活動の他、教育機関、企業等での講習会等に講師派遣を行っています。詳しくは、ACCSウェブサイトhttp://www2.accsjp.or.jp/をご覧ください。

BSAについて

ビジネス ソフトウェア アライアンス(BSA)は、世界80カ所以上の国や地域でビジネスソフトウェア業界の継続的な成長と、安全で信頼できるデジタル社会の実現を目指して、政策提言・教育啓発・権利保護支援などの活動を展開している非営利団体です。BSAは急成長を遂げるビジネスソフトウェア 業界をリードする企業で構成されています。1988年の米国での設立以来、常に政府や国際市場に先駆け、世界のビジネスソフトウェア業界とそのハードウェア・パートナーの声を代表する組織として活動をつづけています。BSAワールドワイド・メンバーにはアドビシステムズ,アップル, オートデスク, アビッドテクノロジー, BEAシステムズ, ベントレー・システムズ, ボーランド, CA, ケイデンス・デザイン・システムズ, シスコシステムズ, CNC Software/Mastercam, デル, エントラスト, Frontline PCB Solutions- An Orbotech Valor Company, HP, IBM, インテル, アイナステクノロジー, マカフィー, マイクロソフト, Minitab, Monotype Imaging, PTC, RSAセキュリティ, SAP, ソリッドワークス, サイベース, シマンテック, シノプシス, テクラ, The MathWorks, トレンドマイクロ および UGS が加盟し活動を行なっています。詳しくは、BSA日本ウェブサイトwww.bsa.or.jpまたは、BSA米国本部ウェブサイトwww.bsa.org/usa/(英語)をご覧ください。