■2005/12/08
BSA、日本の違法コピー率10%低下による経済効果が、
4年間で2兆8千8百億円に達すると発表
〜 最新の調査で、国内IT市場規模は14兆8,800億円となり、35,000人の雇用創出と4,800億円の税収効果 〜
ビジネス ソフトウェア アライアンス(本部:米国ワシントンDC、会長兼CEO:ロバート・ハリマン、以下BSA)は本日、ソフトウェアの違法コピー率を低下させることで得られる経済効果をまとめた「世界経済効果調査」を発表しました。同調査はBSAが世界的なハイテク調査会社のインターナショナルデーターコーポレイション(International Data Corporation 、以下IDC)に委託したもので、これによると、現在28%と依然として高水準である日本の違法コピー率が10%低下した場合、2006年から2009年までの4年間における国内IT市場規模は1,240億ドル(14兆8,800億円*)に達すると報告されています。また他にも、3万5,000人近くのハイテク関連の新たな雇用を創出するとともに、約240億ドル(2兆8,800億円)のGDP浮揚効果、さらには40億ドル(4,800億円)近くの追加税収を生み出す可能性があるとまとめられています。この日本の調査結果は、調査対象国中で3番目に高い経済効果を示すものです。
今回の結果についてBSA日本共同事務局長の今泉寛は、「今回の調査を通じて、ソフトウェアの違法コピーは、著作権者の権利を侵害するばかりではなく、 IT立国化を掲げる日本のソフトウェア産業に関わる雇用や税収、経済成長までをも阻害することが明らかになりました。IT産業が創出する新規雇用やビジネス機会と税収、そして経済成長の活性化に貢献するために、BSAは引き続きソフトウェアの違法コピー問題に取り組んでまいります。」と述べています。
また同調査では、世界レベルでの影響についても触れられています。これによると、全世界で違法コピー率が10%低下した場合には、240万人の新規雇用と 4,000億ドルのGDP浮揚効果、そして670億ドルの税収の創出がもたらされると見込まれています。この税収は、4億3,500万人分の職業訓練コスト、4,500万人分の医療サービス、3,300万人の学生用コンピュータ、660万人が大学の学位を取得するための学費に匹敵するものです。
同調査によると、世界のソフトウェア違法コピー率が1%減少するごとにIT産業が活性化され、400億ドル規模の経済利益が創出されると指摘しています。現在、2009年までに世界のIT産業は33%の成長を見込まれていますが、ソフトウェアの違法コピー率を10%低下することで、約45%にまでこの成長率を向上させることが可能です。
アジア・太平洋地域
違法コピー率の占める割合が53%にのぼるアジア太平洋地域では、この割合を10%削減した場合、1,350万米ドルの経済成長と200万人の新規雇用をもたらし、IT業界の年間売上高は1兆ドル以上の増大が期待されます。
アジア太平洋のIT産業は1,950億米ドル規模に達し、ここ4年間で88万人の雇用を創出し、その発展は、この地域の経済に大きな恩恵をもたらしてきました。違法コピー率10%削減が実現すれば、同地域のIT産業は2009年までに過去4年間の3倍のスピードで成長することが可能です。
BSA副会長兼アジア地域責任者である、ジェフリー・ハーディは次のように述べています。「違法コピーの削減に向けて各国が対策を講じれば、誰もがその恩恵を受けることができます。労働者には雇用の機会が増え、消費者は選択の幅が広がり、起業家は知的財産から生ずる利益を享受し、政府は税収の増大を期待するこができるのです。」
*為替レートは1$=120円で計算
IDCについて
インターナショナル・データ・コーポレーション (IDC)は、IT・テレコム産業向けにマーケット情報や顧問サービス、各種イベントを提供するグローバル・プロバイダの最大手。IT専門家や企業の経営幹部、投資関連各社が技術購入やビジネス戦略を決定する際のサポートをしている。世界50カ国、775名のアナリストが世界、地域、各国の視点からテクノロジーや市場の好機、トレンドに関する専門知識を提供。40年以上にわたって、クライアント各社が主要なビジネス目標を達成する際に役立つ戦略的な識見を提供している。
BSAについて
ビジネス ソフトウェア アライアンス(BSA)は、世界65カ所以上の国や地域でビジネスソフトウェア産業の継続的な成長と、安全で信頼できるデジタル社会の実現を目指して、政策提言・教育啓発・権利保護支援などの活動を展開している非営利団体です。1988年の米国での設立以来、常に政府や国際市場に先駆け、世界のビジネスソフトウェア産業とそのハードウェア・パートナーの声を代表する組織として活動をつづけています。BSAメンバーにはアドビシステムズ,アップル, オートデスク, アビッドテクノロジー, ベントレー・システムズ, ボーランド,
ケイデンス・デザイン・システムズ, シスコシステムズ, CNC Software/Mastercam,
デル、エントラスト, HP, IBM, インテル, インターネットセキュリティ システムズ, マクロメディア, マカフィー, マイクロソフト, PTC,
RSAセキュリティ, SAP, ソリッドワークス, サイベース, シマンテック,
Synopsys,
The MathWorks, UGSおよびベリタスソフトウェアが加盟し活動を行なっています。また、アジア太平洋地域ではトレンドマイクロ、ミニタブ、日本国内ではジャストシステムとモリサワがそれぞれ活動に参加しています。詳しくは、BSA日本ウェブサイトwww.bsa.or.jpまたは、BSA米国本部ウェブサイトwww.bsa.org/usa/(英語)をご覧ください。 (2005年12月1日現在)
なお、正確な記述に関しましては、必ず原文をご参照ください。