リリース記事

■2005/01/25
ビジネス ソフトウェア アライアンス、
今期、違法コピーの「再点検」を焦点に活動
- 違法コピーの予防と解消のきっかけを多数提供 -

ビジネス ソフトウェアの著作権保護の国際的な組織であるビジネス ソフトウェア アライアンス(BSA)は本日、 安全で信頼できるデジタル社会の実現を推進するため、2005年における活動の基本方針を“違法コピーの「再点検」支援”としたと発表いたしました。

ここ数年、BSAに寄せられる違法コピー情報は増加傾向を示しており、BSAとしては依然として問題解決の必要を認識しています。また、企業・団体にとって、ソフトウェアの違法コピー防止対策は、組織としての信頼性を語る上で、個人情報保護や情報セキュリティといった組織のリスク回避策と共通の土台にあります。そのため、企業・団体より違法コピー防止やソフトウェアに起因するセキュリティ事故の予防的観点からも、ソフトウェア資産管理に対する支援への要求が高まっています。

BSAはこうした要求を受けて、今期、主に企業や団体・教育機関といった組織ユーザーのために、違法コピーの予防と解消のきっかけとなるセミナー開催や企業への訪問活動、ソフトウェア資産の管理を評価する仕組みづくりなどの「再点検」支援策を2月から全国的に実施してまいります。

背景

BSAでは、1995年に「違法コピーホットライン(フリーダイヤル、Eメール、BSAホームページの3種類)」を開設以来、組織内違法コピーの情報提供を受けております。最新の2004年分を含む、過去3年分の動向は2002年が157件、2003年は178件、2004年は203件と情報提供数が増加傾向にあるとともに、実際の1件あたりの和解金額も高額化の傾向にあることが分かりました。これは、BSAが昨年7月に発表した「第1回世界ソフトウェア違法コピー調査」が示した、日本国内での違法コピーによる損害額が約1,800億円と莫大であったという調査結果を裏付ける指標のひとつといえます。また、情報提供の中には、「法令遵守」「企業統治」「個人情報の保護」「情報漏洩防止」を経営上の重要な課題としている企業も含まれています。これは確固たる確証がないまま、経営者が違法コピーについてすでに解消されていると認識されていたことが原因でした。

2005年基本活動内容

BSAでは上記課題を解消するための、ホームページやポスター制作、広告といった従来から実施しているソフトウェアの違法コピーに対する意識啓発活動だけでなく、今期は新たに、確証がないまま自分の組織内に限って違法コピーはないと信じている“経営者”と組織内に本当に違法コピーがないことを証明しなければならない“ソフトウェア管理担当者”に対し、もう一度「再点検」してもらうより強力な「きっかけ」を提供し、再点検を支援することで違法コピーの解消と予防を目指します。さらには、ソフトウェアの違法コピーを個人情報保護や情報セキュリティと同様に、組織の信頼に関わるリスクと捉え、問題解決の具体的な方法としてのソフトウェア資産管理推進の支援をお手伝いしてまいります。

新たに追加する主な施策および変更は以下を予定しています。

  1. 経営者による再点検指示につなげる施策
    • 企業への訪問活動
    • 安心して「再点検」するための制度づくり
    • ソフトウェア資産管理を評価する仕組みづくり
    • 個人情報保護と情報セキュリティと関連づけた啓発活動

  2. ソフトウェア管理担当者を支援する施策
    • 相談窓口の常時開設
    • 管理マニュアルなどの参考資料の強化
    • 管理セミナーの回数増加

BSAは、これらユーザー支援活動を強化することで引き続き、違法コピー問題の存在しない安全で信頼できるデジタル社会の実現を目指してまいります。

以上

組織内違法コピーについて

企業や学校、病院など複数のコンピュータでソフトウェアを使う組織において、正規に許諾された数を超えてソフトウェアをインストールしたり、使用したりすることです。例えば、1 台のコンピュータでのみ使用することが許諾されたソフトウェアのパッケージを入手して、複数のコンピュータにインストールするような場合です。日本では不正コピーの多くがこの形態であるとみられています。

BSAについて

ビジネス ソフトウェア アライアンス(BSA)は、世界65カ所以上の国や地域でビジネスソフトウェア産業の継続的な成長と、安全で信頼できるデジタル社会の実現を目指して、政策提言・教育啓発・権利保護支援などの活動を展開している非営利団体です。BSAは急成長を遂げるビジネスソフトウェア産業をリードする企業で構成されています。1988年の米国での設立以来、常に政府や国際市場に先駆け、世界のビジネスソフトウェア産業とそのハードウェア・パートナーの声を代表する組織として活動をつづけています。BSAワールドワイド・メンバーにはアドビシステムズ, アップル, オートデスク, アビッドテクノロジー,ベントレー・システムズ, ボーランド, ケイデンス・デザイン・システムズ, CNC Software/Mastercam, インターネットセキュリティ システムズ, マクロメディア,マカフィー,マイクロソフト, Parametric Technology, ソリッドワークス, サイベース, シマンテック, UGS PLM ソリューションズおよびベリタスソフトウェアが加盟し活動を行なっています。また、アジア太平洋地域ではトレンドマイクロ、日本国内では株式会社ジャストシステム株式会社モリサワがそれぞれ活動に参加しています。
詳しくは、BSA日本ウェブサイトwww.bsa.or.jpまたは、BSA米国本部ウェブサイトwww.bsa.org(英語)をご覧ください