■2004/06/17
ハイテク企業のCEOグループが「未来へのイニシアチブ」を発表
〜 アジア経済にも適用可能な、啓蒙の強化および経済発展の促進を目指すロードマップ 〜
安全で信頼できるデジタル社会の実現を推進するビジネス ソフトウェア アライアンス(BSA)は、世界トップクラスのハイテク企業のCEOグループが、米国における啓蒙システムの刷新を図るためのロードマップを発表しました。このシステムでは、生涯学習を通じて、すべての市民が情報テクノロジー(IT)を活用できるようにする文化を生み出すことに主眼が置かれています。
今回のレポートは、ビジネス ソフトウェア アライアンス主催の第8回CEOフォーラムで新たに発表された「未来へのイニシアチブ」内に含まれているもので、前述のCEOグループは、今後1年間にわたり、イノベーション、知的財産保護、サイバーセキュリティ、サイバー取引に関わる課題や機会について考察し、政策立案者および業界全体に対して提言を行うレポートを数回にわたって発表し、継続的な経済発展を促していく予定です。
BSAのプレジデント兼CEOロバート・ハリマンは、「この25年間にわたるテクノロジーおよびソフトウェアのイノベーションにより、日常生活における側面は事実上、すべて様変わりしました。しかし、これまで劇的な変化に見舞われてきたものの、最大の変化はまだ訪れていないのです」と述べています。
さらに、「一方で、このチャンスを活かすためには、業界、政府機関の双方で、慎重な措置を講じる必要があります。ハイテク業界では、今回のイニシアチブを通じて、前述の目的を達成するために強固なシステムの整備を図っていきます」と述べています。
今回のイニシアチブは、BSAのCEOグループと米国の有力上院議員による討論会の中で発表されたものです。ワシントンD.C.で行われたフォーラムに出席したCEOの顔ぶれは以下の通りです(フォーラムでは、米国の行政機関および議会の有力者との会合が行われました)。
- ブルース・チゼン(アドビシステムズ社プレジデント兼CEO)
- デビッド・クラル(アビッドテクノロジー社プレジデント兼CEO)
- グレゴリー・ベントレー(ベントレーシステムズ社CEO)
- デイル・フラー(ボーランド社プレジデント兼CEO)
- ビル・コナー(エントラスト社会長兼CEO)
- ドミニク・グピール(ファイルメーカー社プレジデント)
- トム・ヌーナン(インターネット セキュリティ システムズ社会長、プレジデント兼CEO)
- スティーブ・バルマー(マイクロソフト社CEO)
- ジョージ・サムヌーク(マカフィー社会長兼CEO)
- アート・コビエロ(RSAセキュリティ社プレジデント兼CEO)
- ジョン・マッケレニー(ソリッドワークス社CEO)
- ジョン・トンプソン(シマンテック社会長兼CEO)
- ゲイリー・ブルーム(ベリタス社会長、プレジデント兼CEO)
BSAアジア副会長兼地域責任者ジェフリー・ハーディは、シンガポールのBSAアジア地域本部から、「今回のロードマップでは、米国政府が米国内で啓蒙システムを普及させる際の展望のみならず、アジアの人々の知識や技術の向上を図り、アジア経済を米国同様に拡大へと導くための有益な指針も提示されています。このロードマップは、アジアが21世紀の中核地域となり、グローバルなデジタル経済のニーズに適合できるようになるための重要な指針となることでしょう」と発言しました。
イニシアチブ内の最初のレポート「将来に向けた啓蒙活動」では、国内の啓蒙システムを改良して、21世紀の技術面および経済面の実情に対応するために、以下のような3つの重要な課題について取りあげています。
- 生涯学習を対象とした啓蒙システムを創設する
- すべての人々がITリテラシーと必要な技能を身に付けられるようにする
- 啓蒙プロセスを近代化して、優れたITツールを完全に統合および活用する
このレポートでは、業界、政府機関、教育関係者に対して、上記の課題に対応するために着手すべき事柄が以下のように提示されています。
- そのレベルを問わず、ハイテク業界と教育機関の間で現在行われている議論を明確にし、生涯学習を重視する
- 再編した啓蒙システムに合わせて、効率的な新規テクノロジーを創出する
- コミュニティカレッジに対する支援を強化し、労働市場の実情に基づき、柔軟な職業再訓練システムを確立する
- 地域内に中核的研究機関を設置し、21世紀にふさわしい学習形式を再構築するための最良の方法に関する優れた研究データを収集する
- 数学、科学、工学の修士および博士号の取得を目指す学生に、ローン免除などの奨励策を用意する
- 授業および学生の評価を行う際にITリテラシーを組み込もうとする教師を新たに育てるとともに、既存教師の能力の向上を図る
- 中学2年生のすべての生徒にITリテラシーの取得を義務付ける
- 数学および科学の教育に投入する資金および人的資源を増加させる
- グローバル意識および市民意識に関するカリキュラムを増加させる
BSAのCEOグループによる「未来へのイニシアチブ」の啓蒙関連レポートおよびその他の情報の全内容については、WEB ADDRESSSSをご参照ください。
■BSAについて
ビジネス ソフトウェア
アライアンス(BSA)は、安全で信頼できるデジタル社会の実現のために貢献する主要な非営利団体で、政府や国際市場に先駆けて、世界のビジネス・ソフトウェア業界とそのハードウェア・パートナーの声を代弁しています。また、そのメンバーは世界で最も急成長を遂げている業界の代表的企業でもあります。
BSAの活動では、教育と、著作権保護、サイバー・セキュリティー、貿易、電子商取引の促進といった政治的イニシアチブを通じてテクノロジー革新の促進に努めています。BSAメンバーにはアドビシステムズ, アップル, オートデスク,
アビッドテクノロジー,エントラスト,ベントレー・システムズ, ボーランド,
シスコシステムズ, CNC Software/Mastercam, HP, IBM,インテル,インターネットセキュリティ システムズ, Intuit, マクロメディア, マイクロソフト, ネットワークアソシエイツ, RSAセキュリティ,
ソリッドワークス,
サイベース, シマンテック, UGS PLM Solutionsおよびベリタスソフトウェアが加盟しています。また、日本では、株式会社ジャストシステム、株式会社モリサワが活動に参加しています。
詳しくは、BSA日本ウェブサイトwww.bsa.or.jpまたは、BSA米国本部ウェブサイトwww.bsa.org/usa/(英語)をご覧ください。