■1997/10/13
小・中・高校生のポスター、作文でソフトウェアの著作権保護をアピール
社団法人コンピュータソフトウェア著作権協会 (略称 ACCS、本部:東京都文京区、理事長:辻本憲三) とコンピュータ・ソフトウェアの権利保護を目的とした非営利団体、ビジネス ソフトウェア アライアンス (Business Software Alliance、略称BSA、本部:米国ワシントンD.C.、会長:ロバート・W・ハリマン) は、第 1 回「こどもコンテスト」---守ろう!ソフトウェア著作権---の受賞者および受賞作品を決定しました。317 点の応募作品の中から、4 点のポスター、6 点の作文、1 点のスクリーンセーバーが選ばれました。
応募作品の中から、小学生の作文部門では福岡県北九州市志井小学校 2 年生の井上 由衣さんの「ピカチュウのT シャツ」が最優秀賞、ポスター部門では、岐阜県糸貫町立土貴野小学校 5 年生の春山健士郎さんの「あなたの良心もコピー (にせもの)ですか?」が最優秀賞に選ばれたほか、各部門で最優秀、優秀、奨励賞が選ばれました。(受賞者の詳細については添付資料参照)
各部門の最優秀賞受賞者には NEC の VALUESTAR、ソニーのプレイステーションをはじめ、コンピュータ、ゲーム機のハードウェアが、また、優秀賞受賞者にはゲームおよびエデュテイメント ソフトウェア、メーカーグッズが贈られました。入賞者の作品は、BSA のホームページ、(http://www.bsa.or.jp) に掲載されています。
著作権による創作物の保護は、音楽、小説、絵画等の分野のみならず、コンピュータ・ソフトウェアにおいても新たな創作を産み出すための基盤となる点で重要です。今回のコンテストは、コンピュータ・ソフトウェアの違法コピーという問題に結び付けて、著作権の重要性をこどもたちに考えてもらう目的で、ACCS と BSA によって企画されました。全国の小・中・高校およびコンピュータスクールからコンピュータ・ソフトウェアの著作権の保護、正規のソフトウェアを使用することの重要性をアピールする合計 317 点の作文、ポスター、スクリーンセーバーの応募がありました。たくさんのこどもたちが作品の制作を通して、他人の創作を尊重することの大切さを実感できたことと思います。
同コンテストの審査委員長である横浜国立大学大学院の吉田 大輔助教授は、今回の作品選考を終えて「著作権は、文化や産業を育てるという大切な役割を果たしており、その担い手となるこどもたちの著作権意識を育てることが重要であり、コンピュータ社会で育っているこどもたちにとって身近な権利であることを認識して欲しい。今回の『こどもコンテスト』には小学生を中心にたくさんの応募があり、着実にこどもたちの中にも著作権の意識が浸透していることがうかがえた」と述べました。
今回のコンテストの主催者である BSA の副会長パメラ・パスマンは「今回の『こどもコンテスト』には全国の小・中・高校、コンピュータ スクールから独創的なアイディアにあふれた 317 点の応募があった。今回は中学・高校生だけを対象としていたスクリーンセーバー部門に挑戦したいという小学生もいて、低年齢のこどもたちがコンピュータを使いこなしていることがよくわかった。次回にはコンピュータを利用したさらに多くの作品の応募を期待するとともにソフトウェアの著作権に対する大切さについて理解を深めてもらいたい」と述べました。
社団法人コンピュータ著作権協会 (ACCS) は、コンピュータ・ソフトウェアをはじめとしたデジタル著作物の著作権者の権利を保護するとともに、著作権思想の普及活動を行い、コンピュータ社会における文化の発展に寄与することを目的として、1985 年に設立されました。ACCS は、調査研究事業のほか、違法コピー防止のための啓発活動、コンピュータ・ソフトウェアの著作権に関する書籍の出版事業を行っており、「情報モラル」としての著作権保護について、学校、教育委員会等へ数多く講師派遣をしています。夏休みには「小学生のための著作権セミナー」も開設しています。また、著作権侵害などの違法行為の実態調査をおこない、ACCSメンバー各社は、必要に応じて適正な法的措置を行っています。会員には、日本国内外のソフトウェアメーカーなど、205 社が参加しています。
BSA は、コンピュータソフトウェア業界の発展に寄与するため、著作権などの知的財産権の保護強化を目的として1988 年に設立されました。メンバーにはアドビシステムズ、アップル、オートデスク、サンタクルーズオペレーション、シマンテック、ベントレーシステムズ、ロータスデベロップメント、マイクロソフト、ノベルなど米国の大手ビジネスソフトウェア会社が含まれており、日本では株式会社ジャストシステムが活動に参加しています。BSAは世界 65 カ国以上でソフトウェアの権利保護のための活動を展開し、ソフトウェア産業の発展に貢献しています。
日本では 1992 年から無料セミナーや違法コピー防止に関するパンフレットの配布などの教育・啓発活動を開始しました。1994 年より違法コピーホットラインによる謝礼金キャンペーンを実施してきました。これまで、多数の情報提供に基づき、BSAメンバー各社は、裁判および裁判外の手続きによって問題の解決を図ってきました。BSA は、活動を強化するため、今年 4 月 22 日より「違法コピー一掃キャンペーン」を開始し、その一環として「違法コピーホットライン」をフリーダイヤル化 (0120−79−1451 なくそう違法行為) するとともにホットラインならびにホームページを利用しての通報者へ 3 万円を支払う「謝礼金キャンペーン」を行っています。社団法人コンピュータソフトウェア著作権協会とも調査並びに教育・啓発活動、権利執行活動で連携しています。BSA の日本での活動および違法コピーに関する情報の受付に関しては、ホームページ (http://www.bsa.or.jp) に掲載されています。