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石川県庁 タイトル

石川県における本格的なソフトウェア資産管理(Software Asset Management: SAM)への取り組みは、平成20年に発覚したライセンスコンプライアンス違反から始まった。これをきっかけとして、平成21年には、ソフトウェア資産管理規程・ソフトウェア管理手順を策定。その後さらにその規程や手順を見直した上で、平成22年には、自治体では先進的ともいえるSAMシステムの調達をした。ライセンスコンプライアンス違反の発覚からわずか2年半程度で、SAMにおいて先進的な自治体といわれるまでになった石川県の取り組みを追う。

石川県庁データ
所属・施設数 273
職員数 16,058人
SAM担当チーム名 石川県SAMプロジェクトチームメンバー
PC台数 約15,000台(ネットワーク:約11,000台、スタンドアローン等:約4000台)
ソフトウェア 約205,000本

県の紹介

石川県は、人口が約120万人で、県庁所在地の金沢市には、国の出先機関、金融・企業の支店などが集中し、行政面・経済面において北陸三県の中核的な存在となっています。
また、加賀百万石時代から引き継がれた伝統工芸・文化を脈々と受け継いだ独自の文化圏を形成し、日本3名園のひとつ「兼六園」や、藩政期の面影をとどめた美しい街並みに加えて、平成23年6月に国連食糧農業機関から輪島市の棚田や豊作を願う農耕儀礼などの里山里海の風景や文化への評価を受けて世界農業遺産に登録された「能登半島」や、白山などの良好な自然環境が我々の生活を潤しています。
 現在、石川県では、このような伝統や自然環境での強みを活かしつつ、北陸新幹線の金沢開業効果を最大限に引き出すために、カウントダウン事業として、ハード・ソフトにわたる交流基盤や受け皿の整備に積極的に取り組んでいます。
 また、一方で、推進機関である県庁業務効率化のため、情報格差是正やセキュリティ対策などの困難な課題にも目をそむけることなく、これまで、全職員へのパソコン配布や情報資産管理を徹底し、IT環境整備や意識改革にも取り組んできました。

目次
1. 石川県のSAMの特徴
2. 石川県のSAMのスコープ(対象範囲)
3. SAM構築の際の参考資料
4. 初版のソフトウェア資産管理規程・手順の策定〜見直しまで
5. 手管理による管理台帳の運用
6. 情報資産管理システムの導入
7. SAMツールに対する誤解
8. SAMの構築プロセスを振り返って
9. SAMの教育
10. 最後に
石川県庁舎
 
1.石川県のSAMの特徴

石川県では、情報資産管理及び情報セキュリティの取り組みの中で、SAMが実施されている。石川県における情報資産管理の位置づけを規程類の体系でみると、次の通りとなっている。

石川県情報資産管理規程及び石川県情報資産管理手順の部分が、主にSAMに対応している部分だが、情報セキュリティポリシー以下、他の諸規程それぞれもSAMに対応している仕組みとなっている。


情報セキュリティ規程類 石川県のSAMの構成

SAMの体制も、下図の通り、情報セキュリティ体制に準じて実施している。


情報セキュリティ体制 石川県のSAMの体制

それぞれの役割の概略は以下の通り。

  • 情報セキュリティ委員会:SAM全般に対する施策の決定機関及び監査執行責任機関
  • 情報セキュリティ委員長:SAMに関する最高責任者(企画振興部長)
  • 情報セキュリティ委員会事務局長:SAMに関する執行責任者(情報政策課長)
  • 情報セキュリティ責任者:各課または出先機関の長であり、部門におけるSAMに関する責任者
  • 台帳管理者:申請され、許可された内容を基に管理台帳の情報を更新する実施者
  • 情報化推進員:棚卸の実施者兼SAMの施策の部門におけるサポート者
  • 全ての職員:自身が使用または管理する資産における責任者兼申請者

また日々の業務の中でSAMを確実に且つスムーズに実施するために、SAMのシステムを調達した。

これまでのSAMのシステムは、一般的に、台帳の更新機能とインベントリ収集機能という2種類もしくは、インベントリ収集機能のみの1種類としている組織が多い中、台帳更新のみならず、これに関連する各種申請・報告情報などとも連携させる機能を持ち、情報セキュリティも含めた管理強化と業務効率のバランスを保つことを考慮している。

こういった特徴の詳細も含め、石川県にこれまでのSAM構築プロセスを振り返っていただいた。

齋田氏
 
川崎氏
 
廣田氏