リリース記事

■2009/10/28
東京地裁、東京都所在の旅行会社を著作権侵害の疑いで証拠保全
〜 提供された情報、ユーザー登録状況、急なソフトウェア購入の動き等から
違法コピーの蓋然性が高いと判断 〜

ビジネス ソフトウェア アライアンス(本部:米国ワシントンDC、会長:ロバート・ハリマン、以下BSA)は本日、BSAメンバー企業のアドビ システムズ インコーポレーテッド(以下、アドビ システムズ)、ファイルメーカー インク(以下、ファイルメーカー)、マイクロソフト コーポレーション(以下、マイクロソフト)の申し立てに基づき、東京地方裁判所が東京都所在の旅行会社に対し著作権侵害の疑いがあるとして、2009年10月15日に証拠保全手続きを実施したと発表しました。

本件は、BSAが開設している情報提供窓口(http://www.bsa.or.jp/enforcement/provide.html)に提供された組織内違法コピーに関する詳細な情報に基づき、2009年8月5日に権利者であるアドビ システムズ、ファイルメーカー、マイクロソフトが、証拠を付して東京地方裁判所に行った申立が認められ実施されたものです。

このケースでは、提供された情報が具体的かつ詳細であったこと及びユーザー登録状況などから、BSAメンバー企業は旅行会社内における違法コピーの蓋然性が高いと判断。BSAメンバー企業代理人からの調査依頼に対し旅行会社からは具体的な調査結果を伴う回答がないばかりか証拠隠滅等のおそれがあったため、BSAメンバー企業は証拠保全の申立を行っておりました。

ソフトウェアの違法コピーは、新たな良質なソフトウェア開発を妨げるだけでなく、ソフトウェア産業自体の成長を鈍化させる要因で、ひいては経済成長にも悪影響を与えます。また、安全で信頼できるデジタル社会実現の大きな阻害要因でもあり、その防止のためにソフトウェアメーカーが拠出する費用負担は決して小さくないのが実状です。

こうした状況改善のためにBSAでは、著作権に関わる法整備支援を目的とした政策提言活動や、ソフトウェア資産管理(SAM)に関するセミナーや各種資料の配布、BSAホームページや違法告発.comでの情報発信といった「違法状態の解消」のための教育啓発活動を積極的に行っておりますが、著作権者の権利保護および正規のソフトウェア・ユーザー保護のためにも、組織内違法コピーに対しては、引き続き法的手続きも視野に入れ、BSAメンバー企業に対し積極的に支援を行ってまいります。

組織内違法コピーについて

企業や学校、病院など複数のコンピュータでソフトウェアを使う組織内における違法コピーが「組織内違法コピー」であり、現在日本でもっとも多く見られる違法コピー形態でもあります。例えば、1台のコンピュータでのみ使用することが許諾されたソフトウェアのパッケージを入手して複数のコンピュータにインストールするような場合がこれに該当します。

違法告発.comについて

「違法告発.com」(www.145982.com)は、組織内違法コピーの実態と情報提供の安全性等を広く訴求することを目的にしたマイクロサイト。過去の通報案件をヒントに組織内違法コピーの手口を読み切り漫画で紹介する「違法コピーのある風景」、BSA日本担当顧問が情報提供の安全性やポイントをお答えする「BSAへの情報提供が安心な4つの理由」、違法コピーの通報経験者へのアンケートを基に、通報から違法コピー状態の改善までの貴重な体験談まとめた「私が決断した理由」の、3つのコンテンツで構成されています。

BSAについて

ビジネス ソフトウェア アライアンス(BSA)は、世界80カ所以上の国や地域でビジネスソフトウェア業界の継続的な成長と、安全で信頼できるデジタル社会の実現を目指して、政策提言・教育啓発・権利保護支援などの活動を展開している非営利団体です。BSAは急成長を遂げるビジネスソフトウェア 業界をリードする企業で構成されています。1988年の米国での設立以来、常に政府や国際市場に先駆け、世界のビジネスソフトウェア業界とそのハードウェア・パートナーの声を代表する組織として活動をつづけ、教育啓発、および著作権保護、サイバーセキュリティー、貿易、電子商取引を促進する政策的イニシアチブを通して技術革新の促進に努めています。 BSAワールドワイド・メンバーにはアドビ システムズ, アップル, オートデスク, ベントレー・システムズ, コーレル, サイバーリンク, Dassault Systemes SolidWorks Corporation, Embarcadero, マカフィー, マイクロソフト, Minitab, クォーク, クエスト・ソフトウェア, ロゼッタストーン, シーメンス, サイベース, シマンテックおよびThe MathWorks が加盟し活動を行なっています。また、アジア太平洋地域ではアジレント・テクノロジー, アルティウム, Frontline PCB Solutions- An Orbotech Valor Company, Mindjet, NedGraphics, PTC, Scalable Software, および テクラ がそれぞれ活動に参加しています。詳しくは、BSA日本ウェブサイトwww.bsa.or.jpまたは、BSA米国本部ウェブサイトwww.bsa.org/usa/(英語)をご覧ください。

<参考資料>

BSA(日本)への情報提供件数推移

業界別情報提供件数ワースト3(2008年)

ビジネスソフトの著作権侵害に関する和解額ワースト5