リリース記事

■2009/8/10
BSAメンバー、違法コピー再発企業との調停が成立
〜 和解後の違法コピーに対し裁判所調停手続にて正規品小売価格の2倍の損害賠償が確定 〜

安全で信頼できるデジタル社会の実現を推進するビジネス ソフトウェア アライアンス(本部:米国ワシントンDC、会長:ロバート・ハリマン、以下BSA)は本日、BSAメンバー企業と過去に和解済であった沖縄県所在のコンピュータスクール経営会社(以下、パソコンスクールA)が、前回の和解以降に生じたビジネスソフトウェアの著作権侵害に関し、2009年7月9日付で那覇簡易裁判所において、正規小売価格の2倍の損害賠償を認める調停が成立したと発表しました。

本件は、和解後に違法コピー再発という悪質なもので、和解時の違約金条項である正規品小売価格の2倍の損害賠償が適用された事案です。

パソコンスクールAはMicrosoft® Office等を違法コピーし使用していたとして、2001年2月にBSAメンバー企業であるマイクロソフト コーポレーション(以下マイクロソフト)等との間で和解契約を締結しておりました。しかし、その後、パソコンスクールA内での違法コピーを指摘する通報が再度BSAに寄せられたため、2006年3月に権利者でありBSAメンバー企業のアドビ システムズ インコーポレーテッド(以下アドビ システムズ)とマイクロソフトがパソコンスクールAに対し、代理人を通じて調査報告を求めたところ、的確な回答が得られないまま連絡が途絶えたため、やむなく調停申し立てに至っておりました。

BSA日本担当事務局長の松尾早苗は、「和解済み企業は、違法コピーの一掃と体質改善を約束していたはずであり、それが遵守されず再発していたことは非常に残念でなりません。BSAは、適切なライセンス管理を行っている正規ユーザー保護のためにも、違法コピーソフトを使用または放置する企業に対しては、引き続き法的手続も視野に入れた権利行使の支援を徹底してまいります」と述べています。

違法コピーの通報件数は、過去5年間で約3倍となり、今年も上半期(2009年1月1日〜6月30日)が過去最多となる275件を記録するなど、ますます増加傾向にあります。BSAでは本年1月に、組織内違法コピーの実態と過去の通報経験者の体験談などをまとめた情報サイト「違法告発.com(http://145982.com)」を公開。他にも啓発セミナーの開催や企業経営者に向けた注意喚起のダイレクトメール、Webでの情報公開などさまざまな活動を通じて違法コピーの予防を呼びかけています。

組織内違法コピーについて

企業や学校、病院など複数のコンピュータでソフトウェアを使う組織内における違法コピーが「組織内違法コピー」であり、現在日本でもっとも多く見られる違法コピー形態でもあります。例えば、1台のコンピュータでのみ使用することが許諾されたソフトウェアのパッケージを入手して複数のコンピュータにインストールするような場合がこれに該当します。

違法告発.comについて

「違法告発.com」(www.145982.com)は、組織内違法コピーの実態と情報提供の安全性等を広く訴求することを目的にしたマイクロサイト。過去の通報案件をヒントに組織内違法コピーの手口を読み切り漫画で紹介する「違法コピーのある風景」、BSA日本担当顧問が情報提供の安全性やポイントをお答えする「BSAへの情報提供が安心な4つの理由」、違法コピーの通報経験者へのアンケートを基に、通報から違法コピー状態の改善までの貴重な体験談まとめた「私が決断した理由」の、3つのコンテンツで構成されています。

BSAについて

ビジネス ソフトウェア アライアンス(BSA)は、世界80カ所以上の国や地域でビジネスソフトウェア業界の継続的な成長と、安全で信頼できるデジタル社会の実現を目指して、政策提言・教育啓発・権利保護支援などの活動を展開している非営利団体です。BSAは急成長を遂げるビジネスソフトウェア 業界をリードする企業で構成されています。1988年の米国での設立以来、常に政府や国際市場に先駆け、世界のビジネスソフトウェア業界とそのハードウェア・パートナーの声を代表する組織として活動をつづけ、教育啓発、および著作権保護、サイバーセキュリティー、貿易、電子商取引を促進する政策的イニシアチブを通して技術革新の促進に努めています。BSAワールドワイド・メンバーにはアドビ システムズ, アップル, オートデスク, ベントレー・システムズ, コーレル, サイバーリンク, Dassault Systemes SolidWorks Corporation, Embarcadero, マカフィー, マイクロソフト, Minitab, クォーク, クエスト・ソフトウェア, ロゼッタストーン, シーメンス, サイベース, シマンテックおよびThe MathWorks が加盟し活動を行なっています。また、アジア太平洋地域ではアジレント・テクノロジー, アルティウム, Frontline PCB Solutions- An Orbotech Valor Company, Mindjet, NedGraphics, PTC, Scalable Softwareおよびテクラがそれぞれ活動に参加しています。詳しくは、BSA日本ウェブサイトwww.bsa.or.jpまたは、BSA米国本部ウェブサイトwww.bsa.org/usa/(英語)をご覧ください。

<参考資料>

パソコンスクールAの和解から調停成立までの経緯

  • 年月非開示 パソコンスクールA内で違法コピーの疑いがBSAに通報される
  • 2001年2月 BSAメンバー、パソコンスクールAと和解
  • 年月非開示 パソコンスクールA内で違法コピー再発の疑いがBSAに通報される
  • 2006年3月 BSAメンバー、パソコンスクールAに対し調査報告を求める
  • 2006年9月 BSAメンバー、那覇簡易裁判所に調停の申立て
  • 2009年7月 BSAメンバーとパソコンスクールAの調停が成立
    ※BSAでは情報提供者の保護のため、通報年月等の情報は開示しておりません

BSA(日本)への情報提供件数推移