リリース記事

■2007/05/15
昨年の日本の違法コピー率は3ポイント減の25%、
同損害額は約2,140億円
〜中国の違法コピー率はこの3年間で10%低下〜
- 全世界の違法コピー率は35%で横ばい、損害額は15% (約6,100億円) 増加 -

ビジネス ソフトウェア アライアンス(本部:米国ワシントンDC、会長兼CEO:ロバート・ハリマン、以下BSA)は5月15日、全世界および各国・地域における2006年1月〜12月のコンピュータ・ソフトウェアの違法コピー状況を調査した「第4回世界ソフトウェア違法コピー調査」の結果を発表しました。

日本は低違法コピー率上位3位だが、損害額では世界ワースト5位に

同調査はBSAが世界的なハイテク調査会社であるIDCに委託したもので、これによると、日本における2006年の違法コピー率は前年比3ポイント減の25%と世界で3番目(昨年10番目)に低いものとなった反面、同損害額は約17.8億ドル(約2,140億円*)で世界ワースト5位(昨年7位)という結果になりました。また、全世界の違法コピー率は3年連続35%、同損害額は前年比15%上昇し約400億ドル(約4兆8,000億円*)でした。

今回の結果についてBSA日本事務局長の竹下千恵は、「日本の違法コピー率は25%と3ポイント低下、また、世界全体でも中国をはじめ違法コピー率は下がっています。これは我々のこれまでの活動成果によるものと認識しております。しかし、損害額は世界的なソフトウェア市場拡大に伴い日本でも世界全体でも依然上昇しており、今後も違法コピー状況の改善ならびに予防への取り組みに向けて、さらなるソフトウェアの著作権保護の促進を展開してまいります」と、述べています。

中国、3年間で10%低下したことによって8.6億ドル(約1,000億円)以上の損害を回避

中国の違法コピー率は2年連続で4%低下し、2003年の92%から2006年の82%へと最近3年間で10%低下しました。違法コピー率を低減し、損害を回避できたのは、政府機関における正規ライセンスソフトウェアの使用を促進させる政府の取り組み、正規ライセンスソフトウェアを使用させるためのベンダとPCサプライヤとの協力、業界と政府との教育啓発活動や監視の強化などの要因によるものです。2006年の中国の正規ライセンスソフトウェア市場は、2005年から88%拡大し、12億ドル規模までに成長しました。2003年以降では、358%拡大しています。

ロバート・ハリマンBSA会長兼CEOは、「中国のIT市場におけるPCの急成長を考えると、中国のソフトウェア違法コピー率がこのように継続的に低下していることは将来的に非常に楽しみです。BSAは、合法的なソフトウェアの使用を徹底させようとする中国政府の取り組みを心強く思います。米国と中国が両国経済に影響を与える問題に対応するために継続的な対話を行なうことを期待しています」と述べています。

全世界の損害額は15%(約6,100億円)増加

同調査結果によると、違法コピーによる全世界の2006年の損害額は前年よりも50億ドル以上増加しました。本年度の調査対象となった102カ国のうち62カ国では違法コピー率が緩やかに低下しましたが、13カ国では上昇しました。

「成果を上げているのは喜ばしいことですが、許容しがたい違法コピーの水準を低下させるためには多大な努力が必要です。このように膨大な損害額は、IT業界の雇用、収益、および、将来のイノベーションや新しいテクノロジーの開発にしようできる財源にマイナスの影響を及ぼします」と、ハリマンは述べています。

主要な調査結果は以下のとおりです。

(単位:百万ドル)

高違法コピー率上位10ヶ国 低違法コピー率上位10ヶ国 高違法コピー損害額 上位10ヶ国
アルメニア 95%   米国 21%   米国 $7,289
モルドバ 94%   ニュージーランド 22%   中国 $5,429
アゼルバイジャン 94%   日本 25%   フランス $2,676
ジンバブエ 91%   デンマーク 25%   ロシア $2,197
ベトナム 88%   オーストリア 26%   日本 $1,781
ベネズエラ 86%   スイス 26%   英国 $1,670
パキスタン 86%   スウェーデン 26%   ドイツ $1,642
インドネシア 85%   フィンランド 27%   イタリア $1,403
ウクライナ 84%   英国 27%   インド $1,275
カメルーン 84%   ベルギー 27%   ブラジル $1,148

本調査は、デスクトップ、ラップトップ、ウルトラポータブルなどのPC上で動作するすべてのパッケージソフトウェアを対象にしています。サーバや大型汎用機用ソフトウェアなどのソフトウェアはこの調査には含まれません。IDCは今回の調査のために、ソフトウェアおよびハードウェアの出荷数に関する独自の統計値を使用し、また、50カ国に在住するIDCアナリストの協力を得てソフトウェア違法コピーの傾向を確認しました。

*為替レートは1USD=120円で計算

本調査の詳細やコピーの入手方法については、http://www.bsa.or.jp/material.html (BSA日本ウェブサイト)、および、www.bsa.org/globalstudy (BSA米国本部ウェブサイト)をご覧ください。

違法コピー率の算出方法

違法コピー率の算出は、「該当年度ソフトウェア違法コピー数」を「該当年度にインストールされたソフトウェア総数」で割った百分率として算出しています。上記、違法コピー数は、「当該年度に稼動しているPCにインストールされたソフトウェア総数」と、「該当年度に正規に出荷されたソフトウェアの本数」との差によって求められます。

BSAについて

ビジネス ソフトウェア アライアンス(BSA)は、世界80カ所以上の国や地域でビジネスソフトウェア業界の継続的な成長と、安全で信頼できるデジタル社会の実現を目指して、政策提言・教育啓発・権利保護支援などの活動を展開している非営利団体です。BSAは急成長を遂げるビジネスソフトウェア 業界をリードする企業で構成されています。1988年の米国での設立以来、常に政府や国際市場に先駆け、世界のビジネスソフトウェア業界とそのハードウェア・パートナーの声を代表する組織として活動をつづけています。BSAのメンバーにはアドビシステムズ, アルティウム, アップル, オートデスク, アビッドテクノロジー, BEAシステムズ, ベントレー・システムズ, ボーランド, Breault Research Organization, CA, ケイデンス・デザイン・システムズ, シスコシステムズ, CNC Software/Mastercam, デル, EMC, エントラスト, Frontline PCB Solutions- An Orbotech Valor Company, HP, IBM, インテル, アイナステクノロジー, マカフィー, マイクロソフト, Minitab, Monotype Imaging, PTC, SAP, ソリッドワークス, サイベース, シマンテック, シノプシス, テクラ, The MathWorks, トレンドマイクロ および UGS が加盟し活動を行なっています。詳しくは、BSA日本ウェブサイトwww.bsa.or.jpまたは、BSA米国本部ウェブサイトwww.bsa.org/usa/(英語)をご覧ください。(2007年4月18日現在)