リリース記事

■2003/06/18
最新の経済影響調査が明らかにする、
著作権保護の強化によるメリット
-全世界の違法コピー率10ポイント削減により、150万人の雇用、4,000億ドルの経済効果 そして640億ドルの税務財源を創出-

ビジネス ソフトウェア アライアンス(BSA)はIDCに委託し、経済インパクト調査を実施しました。この調査によれば、ソフトウェア著作権の保護強化は、新たな雇用とビジネス・チャンスを創出し、それがさらに数十億ドルの支出と税収を増やすことにより、世界中で停滞する景気の活性化を助けます。

BSAが委託したこの調査は、世界57カ国で情報テクノロジー(IT)業界が及ぼす影響と知的所有権保護法を施行・強化する国々の経済受益を評価したものです。調査は、世界のIT市場の98%を占める国々を対象としています。

IDC調査によれば、世界では、10本に4本(40%)のソフトウェアが違法コピーされています。違法コピー率を10%削減して30%にした場合、150万人の新規雇用を創出し、追加経済成長が4,000億ドルに上り、税収が640億ドルの増加となり、政府が教育、医療、法律施行などの公共活動を支えることになることになります。

BSAのプレジデント兼CEOのロバート・ハリマン(Robert Holleyman)は「このレポートは、ソフトウェア業界がこれまでいかに経済成長の大きな原動力として貢献してきたかということに加え、世界中の先進国と発展途上国の双方にとってこの業界がいかに決定的な影響力を持つことができ、今後もそうあり続けるかということを明らかにしています」と述べています。

ハリマンCEOはまた、「知的所有権保護の強化は、クリエイティブな思考を刺激し、企業、政府、労働者に新たなチャンスを生みます。地元の起業家は、斬新なアイディアを売り、作成したプログラムから利益を出す合法的な道があれば、各自の事業を拡大し、より多くの人を雇うことができます。それがさらに、地元経済の支出を押し上げ、重要な公共サービスの財源となる税収を増加させるのです。」と述べています。

調査した57カ国の約3分の2は、1996年以降にソフトウェア違法コピーを10ポイント以上削減しました。これは、この削減率が現実的かつ達成可能なゴールであることを意味します。違法コピー率が世界で1ポイント下がるごとに追加される税収は、60億ドルに達します。

OECD(経済協力開発機構)のコスト予想にもとに計算すると、世界で違法コピー率の10ポイント削減が達成された場合に政府の税収は640億ドル増加し、以下を提供することができます。

  • 学校に設置されるコンピュータ3,000万台以上
  • 3,200万人の医療費
  • 690万人の大学生の学費
  • 4年間の2,000万人以上のインターネット・アクセス費用
  • 約400万人の子供たちのための初等教育 など

違法コピーが多い国々は、ソフトウェア違法コピーの削減によって最も大きな受益を獲得します。たとえば、中国が92%の違法コピー率を10ポイント削減できれば、IT部門が4年で5倍近い成長を達成できます。ロシアでは、IT部門の規模が2倍になり、ハードウェア、ソフトウェア、ITサービスの各部門を合わせた現在の雇用人数を上回る雇用が創出されます。

米国、日本、イギリスなど、違法コピー率が低い国では、知的所有権保護の強化が各国経済に与えうるプラスの影響がすでに実証されています。そして、これらの国のIT部門はすでに大規模であることから、違法コピーのさらなる削減がもたらす絶対利益が最も大きくなります。たとえば、米国の違法コピー率が10ポイント削減された場合、1,500億ドルのGDP貢献が引き出されます。

「今回の調査は、IT業界がこれまでに知る中でも、ソフトウェア違法コピーのインパクトについて最も広範に世界的規模で実施された調査の一つです。とくに喜ばしいのは、弊社の現地アナリストたちによる各国IT市場の詳細知識とIDCのグローバルな専門知識を活用して、世界のIT市場の98%以上を占める国々におけるソフトウェア違法コピー削減のプラス効果を数量化できたことです」、とIDC最高研究責任者および上席副社長のジョン・ガンツ(John Gantz)氏は語りました。

ガンツ副社長は「調査した57カ国について、違法コピー率を4年間で10ポイント段階的に削減するだけでも、すばらしい経済インパクトがあることがわかりました。さらに重要なことに、地元産業には多国籍企業の輸入業者以上に大きな利益がもたらされます。その理由は主に、これらの受益の多くが地元のサービス事業者やチャネル事業者にもたらされるためであり、また、違法コピー率の削減なしには各地に事業を展開するリスクを負うことができないソフトウェアのローカル・ベンダーが、事業に再投資する手段を得るからです。」と述べています。

このレポートは、世界の違法コピー削減によって得られる確実な経済受益を詳細に示した上で、違法コピー率削減の体制作りについて説明を展開しています。

具体的には、知的所有権保護法を施行・強化するために政府が採用できる活動や政策を重要なポイントとしています。また、政府が模範となって違法コピー削減を先導し、コンシューマに各自の責任および、違法コピーが開発者、著作権所有者、経済に与える損害について教育を実施することを奨めています。

ハリマンCEOは「知的所有権の保護強化は、情報化時代における改革と経済成長の鍵です。このレポートは、ソフトウェア違法コピー削減が、堅調なIT部門がもたらす多大な受益をすでに享受している国とIT部門の可能性をまだ完全には引き出していない国とを分ける鍵であるということを示すデータを用いて、その関係を明らかにしています。」と述べています。

BSAについて
ビジネス ソフトウェア アライアンス(BSA)(www.bsa.org)は、安全かつ合法的なオンライン世界の振興を目指して活動している主要組織です。BSAは、政府に対し、また、国際市場において、世界の市販ソフトウェア業界およびこれと手を組むハードウェア業界の声を代弁しています。そのメンバーである加盟企業は、世界で最も成長の速度が速い企業を代表しています。BSAの活動では、著作権保護、オンライン・セキュリティ、オンライン取引、Eコマースを推進する教育および政策上のイニシアティブを通じてテクノロジーの進歩を育成しています。BSA加盟企業には、Adobe、Apple、Autodesk、Avid、Bentley Systems、Borland、Cisco Systems、CNC Software/Mastercam、Entrust、HP、IBM、Intel、Intuit、Internet Security Systems、Macromedia、Microsoft、Network Associates、Novell、PeopleSoft、SeeBeyond、Sybase、Symantecなどがいます。

IDCについて
IDCは、グローバル市場の調査および顧問企業の第一人者です。弊社は、テクノロジーやEビジネスのトレンドに関する洞察を提示することによって、顧客企業が健全なビジネス戦略を策定するのを支援しています。信頼できるサービスと顧客アドバイスを提供するため、厳密な一次調査、徹底分析、顧客との対話を織り交ぜて世界市場の動向を予測します。43カ国に700人以上いる弊社アナリストは、現地情報に基づいたグローバルな調査を実施します。IDCの顧客には、世界の最大手ITサプライヤ、IT組織、Eビジネス企業、金融界などから成ります。詳しくは、ホームページwww.idc.comをご覧ください。

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