リリース記事

■1999/12/22
BSA、著作権審議会の提言を歓迎

コンピュータソフトウェアの権利保護を目的とした非営利団体、ビジネス ソフトウェア アライアンス(Business Software Alliance、以下 BSA、本部:米国ワシントンD.C.、会長兼CEO:ロバート・ハリマン)は、文化庁の著作権審議会第1小委員会が12月9日にまとめた著作権の侵害に関する導入案を含む提言に歓迎の意を表しました。

文化庁の著作権審議会第1小委員会(主査:斎藤 博 専修大学教授)の提言を受けて文化庁は、2001年1月の法制化を目指し、著作権法の改正案を来年の通常国会に提出する予定です。今回の提言の柱は、組織内の著作権侵害行為に対する罰則を大幅に強化することにあります。同委員会は、法人業務主に対する十分な抑止力や他の知的財産権法制との均衡のため、法人重課の導入を提言し、法人の著作権侵害に対する罰金の上限(300万円)を引き上げることを検討しています。第1小委員会の提言には引き上げ額が提示されていませんが、他の法制との関係で1億円から1.5億円の範囲になると考えられます。また、著作権侵害事件において、裁判所は侵害行為による損害額の計算をするためだけでなく侵害行為の立証のために必要な場合においても、さらに正当な理由がないと判断すれば営業秘密記載文書であっても提出命令を発令できるなど民事訴訟法の特例なども盛り込まれています。

BSA会長兼CEO、ロバート・ハリマンは、今回の著作権審議会の提言について、「大きな前進であり、BSAが進めている著作権保護の取り組みへの重要なステップです。BSAとACCS(社団法人コンピュータソフトウェア著作権協会)は、コンピュータソフトウェアの違法コピーを防止するための法制度の確立に取り組んでおり、今回の提言は、私たちの著作権保護活動の推進につながるものと歓迎します。日本では、違法コピーによる1998年1年間の損害額は、6億ドル(およそ612億円)にのぼり、日本のソフトウェア産業は違法コピーによって多大な損害を被っています。今回の著作権審議会の提言は、世界中のコンピュータ・ユーザーとメーカーに対して日本政府の違法コピーに対する今後の方向性を表明することになるでしょう。BSAは今後とも、全世界のソフトウェア・メーカー、業界団体、警察当局と協力して、著作権侵害に対する取り組みを強化していきます。」と述べています。

米国では、クリントン大統領が本年12月10日に、民事訴訟において、コンピュータ・ソフトウェアを含む著作物の著作権侵害に対する罰則を強化する法案「Digital Theft Deterrence and Copyright Damage Improvement Act」に署名しました。この法案により、民事訴訟における著作権侵害に対する法定の損害の最高額を、違法コピー1件につき10万ドルから15万ドルに引き上げることになりました。BSAはこの法案の成立を歓迎しています。

BSA は、コンピュータソフトウェア業界の発展に寄与するため、著作権などの知的財産権の保護強化を目的として1988 年に設立されました。BSA は世界65カ国以上でソフトウェアの権利保護のための活動を展開し、ソフトウェア産業の発展に貢献しています。メンバーにはアクトラック21、アドビシステムズ、アップル コンピュータ、アタッチメイト、オートデスク、ベントレー システムズ、コーレル、インプライズ、ロータスデベロップメント、マクロメディア、マイクロソフト、ネットワークアソシエイツ、ノベル、シマンテック、ビジオなど米国の大手ビジネス・ソフトウェア会社が含まれており、日本では株式会社ジャストシステムが活動に参加しています。

日本では1992年から無料セミナーや違法コピー防止に関するパンフレットの配布などの教育・啓発活動を開始しました。1994年より違法コピーホットラインによる謝礼金キャンペーンを実施してきました。BSAは、「違法コピーホットライン」(フリーダイヤル0120−79−1451 なくそう違法行為、電子メール:license@bsa.or.jp)を通して組織内違法コピーに関する情報を収集しています。BSAの活動および違法コピーに関する情報は、BSAのホームページ< http://www.bsa.or.jp>に掲載されています。