リリース記事

■1997/08/27
BSA、電子メールによる違法コピー情報の受付を開始
-組織内の自主的ソフトウェア管理ツールの配布を開始-

コンピュータ・ソフトウェアの権利保護を目的とした非営利団体、ビジネス ソフトウェア アライアンス (Business Software Alliance、略称 BSA、本部:米国ワシントン D.C.、会長:ロバート・W・ハリマン)は、本日、電子メールで違法コピーに関する情報の受付を開始しました。メールアドレスは、hotline@bsa.or.jp です。寄せられた情報に基づき、その違法行為が民事上の手段で解決された場合には、BSAの定めた規定により、情報提供者に3万円の謝礼金が支払われます。

BSA はさらに、「BSA Japan Audit Tool Version 1.0 for Windows (監査ツール)」を作成し、ホームページ (http://www.bsa.or.jp) 上で配布を開始しました。同ソフトはコンピュータにインストールされているソフトウェアを検索するもので、多数のパーソナル・コンピュータを使っている会社、団体などでの自主的なソフトウェア監査に利用できます。「監査ツール」は BSA のホームページからダウンロードできます。

BSA とソフトウェア・パブリッシャーズ・アソシエーション (Software Publishers Association, 略称SPA) の調査によると、1996 年に日本で使用されているソフトウェアのうち 41% が違法コピーされたもので、日本におけるコンピュータ・ソフトウェア産業の損害額は年間約 12 億ドル (約 1,380 億円)にのぼりました。BSA は、、正しいソフトウェアの管理の仕方に関する教育・啓発活動などによって違法コピーに対する認識を高めるとともに組織内での違法コピー、ネットワークを利用した海賊版の販売、販売店による違法なインストールなどのソフトウェアの権利侵害に関する情報を収集し、BSAメンバー各社は、可能な法的手段により解決を図っています。

BSA の副会長パメラ・パスマンは「電子メールによって違法コピーの情報を受付けることで、エンドユーザーからの情報をより広く、より迅速に収集することができると期待している。また、企業など多くのコンピュータを利用するユーザーが、自主的にソフトウェアの使用状況を把握し、正しくソフトウェアを利用するために、多くの企業、団体に監査ツールを使ってもらいたい」と述べました。

過去数年間に渡って、BSA は、日本において著作権侵害摘発プログラムを実施し、コンピュータ・ソフトウェアの不正コピー使用の疑いがある数百件の日本のエンドユーザー(そのほとんどが企業)を調査しました。この結果、各権利者は、著作権者の許可なくソフトウェアを複写し、継続的に使用している多数の企業との和解合意を結びました。

その一例として、昨年大阪で決着したケースでは、著作権者が、大阪のあるソフトウェア開発業者の事業所に立ち入って、コンピュータ・ソフトウェアの不正コピーの証拠保全を行い、大阪地方裁判所が検証した結果、著作権侵害当事者が、和解金として、総額 1 億 4,000 万円を支払うとともに、関係著作権者に謝罪文を提示することを条件に和解が成立しました。同和解金は、侵害されたコンピュータ・ソフトウェアの正規ライセンス料総額の約 2 倍にあたります。

BSA は、コンピュータソフトウェア業界の発展に寄与するため、著作権などの知的財産権の保護強化を目的として 1988 年に設立され, 現在では、世界 65 カ国以上でソフトウェアの権利保護のための活動を展開し、ソフトウェア産業の発展に貢献しています。メンバーにはアドビシステムズ、アップル、オートデスク、サンタクルーズオペレーション、CSC ソフトウェア、シマンテック、ベントレーシステムズ、ロータスデベロップメント、マイクロソフト、マクロメディア、ノベルなど大手ビジネスソフトウェア会社が含まれています。日本においては上記企業のほか、株式会社ジャストシステムが活動に参加しています。社団法人コンピュータソフトウェア著作権協会とも調査並びに教育・啓発活動で連携しています。

BSA は、日本では 1992 年から無料セミナーや違法コピー防止に関するパンフレットの配布などの教育・啓蒙活動を開始しました。1994 年から違法コピーホットラインによる謝礼金キャンペーンを実施し、情報収集を行っています。これまで、多数の情報提供に基づき、BSAメンバー各社は、裁判および裁判外の手続きによって問題の解決を図ってきました。