ニュース - 2013.05.21

BSA調査、正規ソフトウェア使用率1%の増加が58億7千万USドルを国内経済に注入

正規ソフトウェアがもたらす経済的価値は違法ソフトウェア使用時の4倍以上

BSA | The Software Alliance(本部:米国ワシントンDC、以下BSA)は本日、世界有数のビジネススクールINSEADが実施したグローバル調査「競争優位性―正規ソフトウェアがもたらす経済効果」(Competitive Advantage: The Economic Impact of Properly Licensed Software)を公開しました。同調査では、違法ソフトウェア使用に比べ、正規ソフトウェア使用がより大きな経済効果を国内にもたらすことが明らかになっています。

同調査によると、日本国内で正規ソフトウェアの使用率が1%増加するごとに、推定76億2,700万USドル(約6,067億2,785万円*1)の経済的価値を生み出す一方、違法ソフトウェア使用時の経済的価値は17億6,000万USドル(約1,400億800万円*1)にとどまることから、正規ソフトウェアの使用によって新たに58億6,700万USドル(約4,667億1,985万円*1)の経済的価値が付加されることが分かりました。

「競争優位性―正規ソフトウェアがもたらす経済効果」は、正規ソフトウェアを使用することでの各国経済への有益性を実証するため、アジア太平洋の15諸国を含む世界95諸国を対象に実施された画期的な調査です。調査結果の分析により、正規ソフトウェア使用率の増加が、国内総生産(GDP)の大幅な上昇につながることが確認されました。さらに、違法ソフトウェアよりも正規ソフトウェアの使用が、明らかに高い経済効果をもたらす要因となることも実証されました。

BSA日本担当共同事務局長の松尾早苗は、「正規ソフトウェアを使用することは、事業におけるリスクを低減するとともに、企業の最終利益に関わる業務効率にも直接影響します。今回の調査は、正規ソフトウェアを使用することが企業にとっての利益となるだけではなく、国家の経済成長の推進力となることを証明しています。日本においても政府機関、警察、産業界は、正規ソフトウェア使用がもたらすあらゆる潜在的利益を享受するために、ソフトウェアの違法コピーの削減ならびに正規ソフトウェア使用の推進に努めるべきです」と述べています。

本調査は投資対効果(ROI)の観点からも実施されました。正規ソフトウェアに1USドル(79.55円*1)を投資するごとに、推定で108USドル(約8,591円*1)の ROIが上げられる一方で、違法ソフトウェアに1USドルを投資した場合のROIは、推定で94USドル(約7,477円*1)にとどまります。

本調査の主な結果

  • 正規ソフトウェアの使用率がアジア太平洋地域で1%増加した場合、推定187億USドル(約1兆4,875億8,500万円*1)の経済的価値が地域経済に注入される一方、違法ソフトウェアでは60億USドル(約4,773億円*1)にとどまり、その差額は127億ドル(約1兆102億8,500万円*1)にのぼる。
  • 正規ソフトウェアの使用率が世界で1%増加した場合、推定730億USドル(約5兆8,071億5,000万円*1)の経済的価値が世界経済に注入される一方、違法ソフトウェアでは200億USドル(約1兆5,910億円*1)にとどまり、その差額は530億ドル(約4兆2,161億5,000万円*1)にのぼる。
  • いずれの調査対象諸国においても、違法ソフトウェアと比較して、正規ソフトウェアからより多くの経済効果を得ている。
  • USドル換算において、正規ソフトウェアによるROIが最も高かったのは発展途上国であり、驚くべきことに各国GDPに平均437ドル(約34,763円*1)を加算している。全所得水準レベルのROIを比較すると、正規ソフトウェアに1USドルを追加投資した場合、高所得国のROIは117USドル(約9,307円*1)、中所得国では140USドル(約11,137円*1)となっている。

INSEAD eLabの上席研究員、エドアルド・ ロドリゲス-モンテマヨール氏は、「過去にINSEADが実施した調査では、正規ソフトウェアによってもたらされた付加価値サービスは、企業のコスト削減と生産性向上に役立っていることが解明されています。今回の調査ではさらに一歩踏み込み、ソフトウェア使用が国内生産量に与える影響を解明しています。調査結果によると、正規ソフトウェアは企業と国家経済の両方にとって有益であり、正規ソフトウェアは調査対象国すべての市場において、違法ソフトウェアを使用するよりも、より大きな経済効果をもたらすことを明らかになっています」と述べています。

正規ソフトウェア使用による経済効果を享受したい政府および企業は、以下の分野における対応を検討する必要があります。

  • パソコン、モバイル機器、クラウド上で使用されるソフトウェア、その他の著作権が適用される資料等を保護するための厳格かつ現代的な知的財産法の確立
  • 専用設備と知的財産権の強化体制
  • ソフトウェアの違法コピーに関わる危険性に対する啓発活動
  • 正規ソフトウェアの使用およびソフトウェア資産管理(SAM)プログラム導入による実例指導

「競争優位性:正規ソフトウェアがもたらす経済効果」の調査レポート全文は、BSAウェブサイト(www.bsa.org/softwarevalue)からダウンロードしていただけます。

  • *1 1USドル = 79.55 円( 財務省 為替レート :税関長公示の 2012 年平均値 を適用)

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